純正より断然オススメ、Z fc用拡張グリップは「SmallRig」で決まり!

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年始からメインカメラとしてニコンのAPS-Cミラーレス一眼「Z fc」を使い始めたのですが、実用機材としてバリバリ使う上でどうしても不満だったのが「グリップ」。そこで見つけた頼りになる社外アクセサリーをご紹介します。

乱暴な言い方をすれば、Z fcというのは、中身の質は確かでも冴えない見た目のせいでパッとしなかったZ 50という入門機をちょっと狙いすぎなぐらいレトロなデザインにお色直ししたことで、エントリーユーザーから老害トラディショナルな製品を好まれる方々にまで爆売れしたという、ニコン起死回生の一台です。

こういう見た目重視のカメラにはありがちなことですが、Z fcにはグリップと呼べる部分が一切ありません。大きなレンズを付けて振り回すようなキャラクターのカメラではないので致命的ではない割り切りですが、機動力重視でネックストラップを手首に巻きつけて指先にグリップを引っかけながらいつでも構えられる状態で歩くことがよくある私などは、少しはグリップがないと実用上困ってしまいます。

もちろんニコンだって、決してグリップ必要派を無視しているわけではありません。ちゃんと純正エクステンショングリップを売っています。でもさぁ……真っ黒って……8割ぐらい見た目だけで売っているカメラのくせに、チャームポイントの上下のシルバー部分を半分隠してしまうような見た目への無頓着さはいただけないでしょう。

こういうところの詰めが甘い。購入者向けの色替えサービスだってそうで、ああいうことをやるなら貼り革だけ黒以外にしても見栄えが悪くならないようなパーツ割りにしておくべきでしょう。貼り革の上下に残る黒ラインとか、背面のボタン周りとか、モニターを裏返したときの貼り革風プラパーツとか、全部黒のまま中途半端に残るわけですよ。あれはとても醜いと思っているのでうちのZ fcは絶対に張り替えません。

という愚痴はさておき、見た目と並んで気に入らないのが、純正グリップは15,000円もします。追加ボタンなんかがあるわけでもない、ただの取っ手ですよ?まあ、本体にまともなグリップを付けずに足元を見た値段で割高なエクステンショングリップを売り付けているのはニコンに限った話ではなく、ソニーも富士フイルムもそうですけど……。

そんなわけで、「エクステンショングリップは必要だけど純正のアレは買いたくねぇ」と思っていたら、素敵な製品を発見。中国・深センのSmallRigという会社が作っているZ fc用L型グリップです。

お値段は4,999円、つまり純正の1/3。しかし安物感はなく、ちゃんと土台はアルミ合金、グリップ表面はラバーと素材を使い分けていますし、カメラ底面の傷防止なども抜かりありません。そして一番大事なのは、こちらは「シルバー」だということです。


さっそくZ fcに装着してみました。Z fc本体のシルバー部分は軍艦部だけ金属で底面は樹脂なのですが、色味もよく馴染んでいて違和感がありません。主張の強いロゴも少なく、左側面にグレーで「SmallRig」、背面右側に白字で「Design for Z fc」と小さく記されているのみの控えめなものです。


SDカード・バッテリー部のフタはグリップを装着したまま開閉できるようになっており、バリアングル液晶の開閉も妨げません。純正品と同様に本体底面のくぼみに合うような突起を付けてあり、三脚穴一点で支える構造ではないため、がたつきも少なく非常に安定しています。

底面には仕掛けがあって、エクステンショングリップの台座自体がアルカスイス互換のプレートとして機能するため、対応する雲台があればそのまま三脚に滑り込ませて固定できます。左下にはマイクやLEDライトなどをぶら下げられるコールドシューを設けています。SmallRigは動画撮影用の機材を組むためのリグやケージを得意としているメーカーなので、このあたりは個性が出ていますね。


肉抜きだらけの底面は、クラシカルなZ fcにはやや現代的すぎるきらいもあり、好みが分かれるところかも。個人的には、バイクの世界で言うところの「ネオレトロ」というジャンルのような、古典的デザインと近代的要素の融合という感じでこれはこれで良いんじゃないかと思っています。


結論としては、すべてのZ fcユーザーにおすすめしたいぐらいの優良アクセサリーです。見た目と機能性の両方で純正品を上回りながら、価格は1/3。あこぎなグリップ別売り商法に屈せず、安くて良いモノを買いましょう。

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