迷惑メール配信サービス「お名前.com」を捨てて「Google Domains」を使い始めた

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日本で独自ドメインのWebサイトを持とうと思ったら、相当な割合の人が一度は「お名前.com」を使うのではないかと思います。GMOインターネットは日本で一番IANA_IDが古い=超老舗のレジストラであり、歴史の長さ、圧倒的なドメイン登録数の多さを考えれば、彼らが果たしてきた役割は非常に大きく、その存在を否定するつもりはありません。しかし、ユーザー目線で言えばあまりにもクソなサービスなわけですよ。

私もここ10年ぐらいで運用したドメインは20個ぐらいあり、そのほとんどはお名前.comで取得してきました。一度使ってしまった以上はまとめておいた方が管理しやすいからとか、思いついたことはすぐ試してスクラップ&ビルドするため、お名前.comお得意の「1年目だけ99円」みたいなのが有用だからとか、そんな理由です。別に好きで選んでいるわけではないどころか、ありとあらゆるWebサービスの中で一番嫌いと言っても過言ではありません。

なぜ最大手であるはずのお名前.comが日本中のドメイン保有者たちにことごとく嫌われ、バカにされ、叩かれているのか、サイト運営に縁のない人が見れば「どこでも同じなんじゃない?」とピンと来ないはず。端的に言えば、あれは迷惑メール配信サービスであり、ダークパターンの見本市だからです。

まず、お名前.comに会員登録すると毎日たくさんの宣伝メールが届きます(そんな毎日ドメイン取らねーよ!)。重要マークが濫用されていたり、1日に2回攻撃してきたりすることもザラにあります。まあ、こんなのは世の常なので寛大な心で許しましょう。

次に、お名前.comでドメインを取得するともっとたくさんのメールが届きます。「このドメインにナントカ設定がされてませんよ」(要らないからしてねーんだよ!)、「○○.infoをお持ちならブランド保護のために○○.netと○○.xyzと(中略)も取りましょうよ」などなど……不要になったドメインの失効待ちをしている場合はさらに地獄です。尋常ではないペースで警告メールを送って更新を促してきます。まあ、記憶力がニワトリレベルで本当にうっかり更新を忘れている人ならありがたいのかもしれませんが……いや、でも毎日アホみたいにメール送りすぎてオオカミ少年状態ですよね。あまり効果があるとは思えません。

一番ひどいのはメール配信ですが、ドメイン管理画面(ドメインNavi)だって褒められたものではありません。ログインすると強制的に契約更新画面が表示され、脱出してダッシュボードを開くまでに3クリック。各種手続きには余計な売り込み項目が混ざっていることが常なので注意深く読んでチェックを入れる必要があり、そもそもオプションを付ける操作をしているのか外す操作をしているのかもよく分からないゴミのようなUIと格闘しなければなりません。

……もう十分ご理解いただけたと思うので、お名前.comの悪口はこれぐらいにしておきましょう。

さて、私はこのブログを作るにあたって、また新しいドメインを取得する必要がありました。でも、もうお名前.comは使いません。「Google Domains」というイケてるサービスが7年ものベータテストを終え、ようやく本サービスを開始したからです。

まあ、2018年から日本でもベータ版を使えたんですけどね。ドメイン管理はそこそこ重要度の高いサービスですし、Googleは新規事業にさっさと見切りを付けて投げ出すことがそこそこ多いので、確実に継続提供されるまでは手を出さずにおこうと私は決めていました。

天下のGoogleのサービスですから、シンプルでまともなUIですし、迷惑メールも送ってきません。Googleアカウントがあれば追加の会員登録すら不要です。本当はもっと詳しく紹介しようと思っていましたが、正直「ドメインを探して取る」というシンプルな行為に数千文字かけてああでもないこうでもないと語るほどの作業はありませんでした。一言で言えば「これでいいんだよ」という感じ。何の落とし穴もありません。

どこで取ってもやることは変わらない……と言いたいところですが、ひとつ良いことがありました。Google Domainsを使うとGoogle Search Consoleへの登録が非常に簡単でした。

サーチコンソールは、自分のサイトの記事をいち早くGoogle検索に載せるよう働きかけたり、検索でのヒット状況を分析したりするためのツールですね。普通はサイト内に合言葉のようなファイルやタグを一旦仕込んで照合しないとサーチコンソールと自サイトの連携ができないのですが、Google Domainsを使っていれば「このドメインをサーチコンソールに紐付けてください」→「ああ、ウチで買ってくれたドメインね。おっけー」で終わりです。

このほかには「独自ドメインのメールアドレスを運用しやすい」というのもGoogle Domainsのメリットとして挙げる人が多いのですが、あれは結局Google Workspaceの契約が必要ですし、他社で取ったドメインでもそういうこと自体はできるのであまり変わらないかなと思っています。

まだ失効待ちの不要なドメインがいくつか残っているのでお名前.comを退会できていないのですが、あと半年もすれば迷惑メール攻撃から解放されると思うとうれしい限りです。Whois情報に刻まれた「Registrar Information Name: Google Inc.」の文字列をニヤニヤ眺めながら、来るべき日を待とうと思います。

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