3日間特急乗り放題なJR四国の「バースデイきっぷ」を使ってみた

雑記

3日間特急乗り放題というJR四国のお得なきっぷ「バースデイきっぷ」を使って旅行してきました。昨年(2021年)の話で恐縮ですが、きっぷの仕様とかは2022年現在も変わっていないので何かの参考になれば。

「バースデイきっぷ」の概要

バースデイきっぷとは、JR四国が販売している誕生月の人限定の企画きっぷ。JR四国全線(+土佐くろしお鉄道と一部の路線バス)の普通列車・特急列車に3日間乗り放題です。グリーン車にも乗れるタイプは13,240円、自由席用は9,680円。同一行動でないと使えない代わりに誕生月じゃない人も使える「お連れ様用」という券を追加で買えるので、一人旅でなくてもご安心を。

毎年毎年なくなると噂され続けていますが、結局1年更新で売られ続けているしぶとい奴です。まあ、なくなるだろう派の人の言い分としては「潰れかけのJR四国がいつまでもこんな安いきっぷを売れるはずが……」という理屈なのでしょうけど、実際にはむしろ潰れかけだからこそ少しでも空席を金に買えようとあの手この手で売っているのでしょうからね。本当に潰れてしまわない限りはなくならないんじゃないかと思います。

私は自由席用の安いほう(9,680円)を買いました。理由としては、グリーン券の発券や座席指定をするのはあらかじめガッチリ予定を組んで動かないとほぼ不可能で、そういうタイプの旅行はあまり好きではないからです。

バースデイきっぷの座席指定は指定席券売機でも一応できますが、そもそも指定席券売機の普及率が低い(自動改札だってほとんどない)ので、実質的にはあらかじめプランを組んで有人窓口ですべて予約を入れてもらうような使い方しかできません。気ままに動きたい人は自由席用で十分です。

ただ、四国の特急は編成が短い上に半室指定席車もよくあるので、使用日が繁忙期に当たる場合はおそらく自由席の奪い合いが激しいと予想されるため、グリーン用にしておいても良いでしょう。

「バースデイきっぷ」を使ってみた旅行記

ここからは、2021年にバースデイきっぷを使った際の旅行記です。正直、ざっくりと四国全体をまわってみるだけなら3日間は長すぎるぐらいなので、後半はダレ気味かも。ちなみに、四国を海岸沿いに一周する線路はつながっていないのでそういう動き方はできません。

まずは0日目。前乗りして高松駅(ワープ高松支店)でバースデイきっぷを購入し、宇多津駅から10分ぐらい歩いて「おか泉」という店で豪勢なうどんを食べ、丸亀駅付近で一泊しました。本当は0日目も18きっぷを持っていたのでそこそこ観光したのですが、その話を入れると趣旨がブレるので省略。

というわけで、1日目は丸亀からスタート。とりあえず行きたいところがあったので予讃線の普通列車で西に向かいます。特急乗り放題とアピールされているきっぷですが、もちろん普通列車にも乗ってOKです。

なんでわざわざ一見ありふれた普通の通勤電車を何枚も撮っていたかというと、実はこれ、ちょっと特殊な装備があるんですよね。明らかに普通ではない派手なライムグリーンに塗られたこの台車、川崎重工業の「efWING」という代物です。バイク好きの人なんかはこの色でカワサキというのはしっくり来るでしょう。何がすごいんだって聞かれても困るんですが……たしか構造と素材(CFRP)の工夫で軽量化と乗り心地アップを同時に云々みたいな話だったかと思います。

さて、やってきたのは伊予西条駅に併設されている「四国鉄道文化館」。線路を挟んで北館と南館があり、それぞれに鉄道車両が静態保存されています。比較的新しい施設なのですが、明るく開放感のある木造なのが良いですね。薄暗い灰色の空間に閉じ込められた車両よりは、見ても撮っても美しく感じます。

北館の展示物は、全国に3機しか現存しない貴重なディーゼル機関車「DF50」のトップナンバーと四国には縁もゆかりもないはずの0系新幹線(パチモンは走ってますけど)。現存する3機のDF50のうち1機はブルーシートかなにかで覆われてまともに見られる状態ではなく、もう1機は岡山県の「津山まなびの鉄道館」に保存されています。私は前日に津山も訪問していたのでそこまで貴重だという意識はなく眺めていましたが、よく考えたらそんな最短ルートで立て続けに2機見る人もなかなかいないはず。

南館はDE10(これもトップナンバー)とキハ65、C57。そして屋外展示でフリーゲージトレインの第2次試験車もありました。一点モノの割になんだか扱いが軽いような……?

四国鉄道文化館を見学した後は宇和島名物をお昼に食べようと決め、四国の特急電車としては最新の8600系に乗ってさらに西へ。

海沿いを走る路線なので眺めは良いですし、九州のようなデザイン料ばかりで薄っぺらい木の椅子に座らされる特急ではなく、空気ばね式車体傾斜装置まで付いたまともな作りなのでとても快適。

宇和島駅から15分ほど歩き、「かどや」というお店へ。駅前にも店舗があるはずですが、営業時間だか臨時休業だったか、何らかの理由でこちらまで行くことになりました。宇和島名物の「鯛めし」という、お刺身を使った鯛茶漬けのようなものをいただきました。他県で鯛めしというと炊き込みご飯のようなものが思い浮かぶと思いますが、こちらは漁師めしの面影が残るスタイルですね。

帰りは旧式の8000系特急電車でした。8600系には及ばないまでも、こちらも座席などの設備はなかなか悪くありません。JR北海道並みの貧乏会社というイメージ(失礼)とは裏腹に、リニューアルなどにもちゃんと手をかけているのがうかがえます。

宇和島から高松までは200km以上ありますから、戻ってくる頃にはもう夜に。

この日はJRの高松駅付近ではなく、私鉄のことでん(高松琴平電鉄)沿いに宿を取っていたので移動しつつ、高松城跡で夜桜を楽しみました。この写真では伝わりにくいかもしれませんが、けっこう派手な色でライトアップされていて風情とは……と思った記憶。

一夜明けて2日目。ことでんでJRの駅まで戻ります。実を言うと、ことでんに乗りたくてわざわざ高松駅から離れた宿を取った節もあります。ここは各地の中古電車の宝庫で面白いんですよね。個人的には馴染みの深い元京急の車両に乗ってみたかったのですが、当たったのは元名古屋市交通局の車両でした。

今度は2700系という気動車特急の最新型に乗って徳島へ。瀬戸大橋線以外すべて赤字という目を覆いたくなるような状況のJR四国ですが、特急だけは都市間の速達移動手段としてそこそこ使われているんですよね。意外に最新の高性能な特急車両がたくさん走っているのは、特急だけは高速道路やバスに負けるわけにはいかず社運がかかっているからです。

徳島駅に到着。駅前はそこそこ栄えているようにも見えますが、一番大きい建物(旧徳島そごう)はスカスカですし、絵に描いたような「衰退していく地方都市」という感じの哀愁が漂います。

駅前で徳島ラーメンを食べました。一言で言えば甘めの豚骨醤油ラーメンに、甘辛く煮た薄切りの肉を乗せたやつですね。他県でも徳島ラーメンを名乗るお店に行ったことがありますが私はけっこう好きですよ。

思いのほか徳島で時間を潰せなかったので、予定を前倒して3日目に行くつもりだった高知に移動してしまうことにします。徳島にまったく見るべきものがないというわけではないのですが、四国で鉄道縛りだと正直行けないスポットが多いので事前の計画が肝心だと思います。

高松まで戻る際にやってきたのはさっきと同じ2700……いや、これは2600系ですね。4両限りの先行試作車のような存在で、外観上の違いとしては微妙に配色が違います(緑のラインがない)。

元々は8600系と同じ空気ばね式車体傾斜装置を積んだこの2600系を量産するはずが、いざ走らせてみたら急カーブの連続する土讃線に耐えられず、急遽昔ながらの振り子式に戻した2700系を再設計してそちらを量産したという成り行き……つまりは失敗作というわけです。結果として空気ばね式でも十分な線形の高徳線に閉じ込められているので、レアなようで狙えば簡単に遭遇できます。

土讃線経由で高知駅に到着(乗車列車など諸々撮り忘れ)。ちなみに土讃線は山奥で電波もあまり入らず、かと言って景色を楽しめる区間ばかりでもない(トンネルがたくさんある)ので、オフラインで暇を潰せるものを用意しておいた方が良いかと。

高知は四国のなかでは高松の次に栄えている規模の街でしょうね。路面電車も走るしっかりとした地方都市です。ちなみにこの変な形のコンビニは昔ルイ・ヴィトンが入っていた建物だとか。

これが噂に聞く日本三大がっかり名所・はりまや橋ですか。桜が散っていい感じになっているのでがっかり度がやや下がってしまいましたが、確かにわざわざ見に来るほどではないでしょうねぇ。

この近くの「明神丸本店」というお店でいただいた本場のカツオのたたき。これはマジでうまかったなぁ……この日は高知のドーミーインに泊まりました(もちろん無料の夜鳴きそばも食べましたし、お風呂でもらえる無料のアイスも食べました)。

さて、ネタ切れ気味できっぷの有効期限を持て余しながら迎えた最終日。いやね、四国旅行だけに限ればたった3日ですが、実は九州旅行(みんなの九州きっぷ)中国旅行(青春18きっぷ)からの連戦でひたすら鉄道に乗り続けること9日目なのでもう燃え尽きてるんですよww

2日で十分元は取ってるんだから最終日はがっつかなくたっていいじゃないかと、ゆるい感じの行程にしました。とりあえず丸亀まで戻ってみます。

港のほうまで歩いて、評判の良さそうな「麺処 綿谷」でうどんを食べました。ぶっちゃけ駅近にはいいうどん屋さんはないので、10~15分ぐらいなら躊躇せず歩きましょう。それって鉄道で四国を旅するのは良くないってことなんじゃないか?というのは禁句です。

うどんを食べた後は、たまたま近くにあった「うちわの港ミュージアム」を見学。

高松に戻り、昼の高松城跡も見てみたり、香川県立ミュージアムとやらを見学したり……ことでんの京急車(しかも復刻塗装)も念願叶って見られました。

あ、四国まで来ても汁なし担々麺は食べました。サンポート高松に入っている陳建一プロデュースの店でしたが、まぁ普通かな?2021年12月に閉店してしまったようです。

長旅を終え、日本最後の定期夜行列車「サンライズ瀬戸」で帰りました。私が鉄キッズだった頃はまだブルートレインがいくつか残っていて、いつか乗ってみたかったそれらは叶わぬまま終わったわけですが、サンライズだけはこうしてなんとか機会を作って乗れて良かったなと思います。今回はノビノビ座席という一番安いところしか取れなかったのが心残り。次は「サンライズ出雲」で個室にも乗っておきたいですね。

まとめ

バースデイきっぷに話を戻すと、結論としては超お得なきっぷなのは間違いありません。JR四国のダイヤは特急ありきなので、18きっぷとかで普通列車だけで動くのはちょっと考えたくないところ、定額で手軽に鉄道旅を楽しむにはバースデイきっぷがベストでしょう。

ただし、旅行記のなかでも何度か限界が見えていたように、そもそも鉄道だけで四国を巡って観光すること自体が厳しいという現実があります。私のように「とりあえず四県制覇して、駅から歩ける観光スポットは手当たり次第に寄って……」ぐらいの感覚で行くと3日分は持て余します。駅から無理せず歩ける観光スポットなんて正直ほぼ無く、頑張れば歩けるスポットならまあ無くはないかな?という感じ。

「普通車自由席用」ではなく「グリーン車用」のバースデイきっぷを買っておけば、「四国まんなか千年ものがたり」「伊予灘ものがたり」「アンパンマン列車」などの移動自体を楽しめる観光列車に乗れるので、下手に目的地を作るよりも乗り鉄に徹したほうが楽しめるかもしれませんね。

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