Z fcの撮って出しが気に入らなかったので「カスタムピクチャーコントロール」を作ってみた

カメラ

私はZマウントレンズの光学性能とボディのファインダーの良さ、そして撮って出しJPEGの画作りが気に入ってZマウントに乗り換えたのですが、今使っているZ fcを買ったときには「あれ?」と肩透かしを食らいました。FXフォーマットの機種(と言っても使ったことがあるのは5と6 IIだけ)とはJPEGの傾向が違う気がするんですよね。

まぁ、Z fcは見た目のマジックで中級以上のベテランユーザーにも好かれてはいますが、結局のところ中身はしょせんエントリー機のZ 50ですからね。画質に関わる部分はベースになった機種と変わらないはずで、本来のユーザー層相応のチューニングなんだと思います。

端的に言えば、過度に明るく派手で、階調が損なわれがち。露出補正0で撮っても白飛びする部分が出てしまったり、空の表現がダメダメだったり……「Zだから撮って出しでも最高に使える」というつもりで買ったので、最初は正直ガッカリ、失敗したと思いましたよ。

でも、諦めるにはまだ早い。ニコンのカメラには「ピクチャーコントロール」という写真の雰囲気を変える設定があって(富士フイルムのフィルムシミュレーションが有名ですが、割とどこのメーカーにもありますよね)、さらに自分好みの設定を作って書き込める「カスタムピクチャーコントロール」(以下、CPC)なるものが存在するのです。

純正現像ソフト「Capture NX-D」をダウンロードすると、ごちゃごちゃ同梱されているよく分からないソフト群の中に「Picture Control Utility 2」というツールがあります。大半の人は見向きもしないかと思いますが、実はこれでCPCを自作できます。

上のスクリーンショットを見ての通り、決して使いやすいとは言えない古臭いツールです。ざっくり説明すると、中央に表示されている写真は私が撮ったものではなくPicture Control Utility 2に最初から入っているサンプル。これの変化を見ながらトーンカーブなどを弄って画質を調整していきます。好みの設定ができたらSDカード経由でカメラ本体に書き込めば準備完了。あとは純正のピクチャーコントロールと同じように使えます。

以下4枚の作例は、純正ピクチャーコントロールの「スタンダード」と私が作成したCPCを比較したもの。もちろん撮って出しで、露出設定は揃えています。スタンダード→CPC→スタンダード→CPCの順です。

Zfc-STD-sample-01

Zfc-CPC-sample-01

Zfc-STD-sample-02

Zfc-CPC-sample-02

どうですか、けっこう印象が変わりましたよね?

全体的にぼんやりと明るく締まりがなかったところを引き締め、過剰に強調されていた彩度(特に赤系)を落としました。死んでいた素材の鮮やかさを引き出す一方で後付けの鮮やかさは消して、現実的な表現にしたつもりです。

同じような不満をお持ちのZ 50ユーザーさんにFF外から失礼して聞き込みをしながら作り上げたCPCで、私1人の力ではないのでここで再配布して一儲けする予定はありません。見せびらかすだけになってしまい恐縮ですが、とりあえず、Z fc(というかNikon機ならどれでも)の写りが気に入らなくても好みの画作りに落とし込む方法はあるので諦めないで、ということで。

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