MRG-B5000が出た今だからこそ、フルメタルG-SHOCKの完成形「GMW-B5000」をおすすめしたい

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2022年3月、G-SHOCKの最上位シリーズ「MR-G」から、同シリーズでは初めて、角型デジタル表示の初代G-SHOCK(オリジン)の形状を踏襲したモデル「MRG-B5000」が発売されました。

高級素材を採用し質感にこだわったモデルとはいえ、誰もが知るあのG-SHOCKそのまんまの形で40万円という価格には度肝を抜かれました。買う買わないはともかく、G-SHOCKファンのみならず、時計愛好家全般の今春の話題をかっさらった製品でしょう。

私は買わない(買えない)予定ですが、これとよく似た時計ならもう持っています。しかも、今なら店を選べば5万円程度と誰でも手が届く値段です。そして最も重要なことは、MRG-B5000の1/8の魅力しかないなんてことはまったくありません。前置きが長くなりましたが、今だからこそGMW-B5000を買っておきませんか?という話です。

こちらが今回の主役「GMW-B5000D-1JF」。G-SHOCK好きの人には改めて説明するまでもない超有名モデルでしょうが、知らない人のために一応解説しておくと、「初代の形でフルメタルにしました」というのは先日のMR-Gが初ではありません。元々は一点物のショーモデルとして作られた金無垢のG-SHOCKがあって……とかいう話をすると長くなるので省略して、とりあえず市販モデルとしてはこのGMW-B5000シリーズで一旦完成されています。

1983年発売の初代G-SHOCK「DW-5000C」から続くスクエア形状とデジタル表示を踏襲しつつ、ほぼまったく同じ形状で外装全体をそっくりステンレススチールにしてしまったというモデルで、2018年に発売されました。このシルバーのモデルの他に、ゴールドやブラック、期間限定カラー(たまに軽量なチタン製も)、ブレスからウレタンバンドに変えた派生モデルなどもあります。

外装を金属製にしただけというと簡単に聞こえるかもしれませんし、「樹脂より金属の方が丈夫になっていいじゃん」と思う人もいるでしょう。ところが、実際にはそう単純な話ではないのだとか。

樹脂を金型に流し込んで抜く前提のデザインを細部まで馬鹿正直に金属で再現しようとすると大変な手間がかかりますし、G-SHOCKの売りのひとつでもある耐衝撃性についてはむしろ柔らかく軽い樹脂の方が有利で、そのまま外装をガチガチの金属に置き換えると落下で簡単に中身が壊れてしまうから内部構造も変えないと……などなど、相当な手間をかけて「徹底的に同じ見た目で、G-SHOCKとしての耐衝撃性能を保ったまま、フルメタル化する」という無理難題を実現させた熱いストーリーが詰まった製品なのです。

冒頭で触れた40万のMRG-B5000はGMW-B5000を土台にした製品であって、初代モデルの再現・メタル化ということに関してはGMW-B5000がひとつの完成形です。MRG-B5000の違いはチタンやコバリオンなどの素材、数ランク上の仕上げ(特にブラック)、ブランディングなどにあります。言ってしまえば、見栄を張るつもりがなければ、魂のこもったプロダクトをたった5万円そこらで買えるGMW-B5000は非常にお買い得です。

公式画像で見ると見た目の印象はあまり変わらないのですが、一応MRG-B5000の実機を少しだけ見たことがあるGMW-B5000ユーザーの感想としては、一見同じようでいて実はアプローチの違うデザインだなと感じました。GMW-B5000は「樹脂のG-SHOCKの形を金属でそっくりに再現する」という変態じみた曲芸をしているのに対し、MRG-B5000は「金属だからこそできる表現で再解釈する」つもりで作ったのではないかなと思います。

上の写真で伝わるか分かりませんが、GMW-B5000はベゼルの上下がぷっくり膨らんだ造形になっていたり、ボタン横の縦溝やバンドのディンプル加工がちょっと眠い感じだったり、(どこまで故意かはともかく)元々樹脂だったものをそのままメタル化したようなゆるさも同居した不思議な雰囲気で、初代からの歴史ありきの記念アイテムという印象です。

これがMRG-B5000になるとスパッと平面とエッジで構成されたキレの良い造形に変わっていて、現代的でかっこいい高級デジタル時計という感じ。初代G-SHOCKおよび当時の熱狂へのノスタルジーを抱いていない若者にはMR-Gのデザインのほうが刺さるんじゃないかなと思いますし、実際私もそっち側なのでそう思っていますが、比べてわかるレベルの話ですし価格帯もまったく違いますから、とりあえずGMW-B5000買っておけってことで。

おまけ

せっかくいろいろ撮ったのに使い切れなかったのでもうちょっと見せびらかします。ついでに細かい話も。

GMW-B5000シリーズはMR-G/MT-G/G-STEELなどのブランドが付かない平のG-SHOCKとしては高価な部類ですが、あくまで平のG-SHOCKなのでいつもの箱なのがちょっと残念。買う楽しみは少ないです。

GMW-B5000D(ウレタンバンドでないモデル)の最大の欠点は重さと装着感の悪さです。ステンレス製のレギュラーモデルはカタログ値で167g(もちろん何コマ詰めるかで変わります)と重い上、見た目の再現を最優先したブレスの装着感は終わっています。1コマ目がほとんど動かないので実質的なケースサイズがめちゃくちゃ大きくなってしまい、おそらく日本人の腕では緩めにしても詰めてもまともにフィットさせるのはまず不可能でしょう。

スクリューバック仕様なのがいかにも上位モデルって感じでかっこいいですね。スクリューバックの構造上、文字がいい感じの向きに揃っている個体と巡り会えるかは運ゲーです。私の個体はほぼ上下逆でした。

液晶の視認性はとても良く、青白いバックライトも綺麗。電波ソーラー、Bluetooth、オートライト(暗い場所で腕を上げると自動で点灯)など全部入りの機種なので、これを使ってしまうとGM-5600とかには戻れない……5000/5600系が好きなら行き着く先はここでしょう。

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