カレコで燃料電池車「MIRAI」に乗ってみた

ノリモノ

カーシェアの「カレコ」で、トヨタの燃料電池車「MIRAI」に乗ってきました。通常乗る機会はほぼ無いような車なので、まさかカーシェアにあるとは思わずびっくり。

MIRAIは、タンクに貯めた水素と大気中から取り込んだ酸素を使って発電し、電動モーターで走行する燃料電池車(FCV)です。2014年に初代モデルが発売され、2020年にフルモデルチェンジ。カレコには初代と2代目のどちらも導入されていますが、今回は新しい方を借りました。

間近で見た第一印象は、デカい。全長4,975mm×全幅1,885mm×全高1,470mmということでクラウンよりは一回り大きく、LSぐらいのサイズ感です。近くに立つともっと大きく感じるのはなぜでしょう……ボンネットが高い(分厚い)からなのか、それともこういう重そうなデザインで19インチもあるホイールは見慣れないからなのか。

そう、初代MIRAIと比べると2代目はだいぶ大きくなっています。LSと同じGA-Lプラットフォームを採用し、後輪駆動に変更。表向きには水素タンクの容量拡大が目的とされていますが、環境性能や価格帯(710~860万円)、補助金など様々な面で役員車や公用車として選ばれやすい車ですから、価格相応の高級セダンらしい車格を得たことも大きな意味を持つでしょう。

5m近い全長でキャビンが更に長くなるクーペフォルムということで、かなり存在感があります。盛り上がったノーズや二段に分割されたヘッドライトなど、フロントまわりはちょっとクセのある尖ったデザイン。ターゲット層を考えるとちょっと攻めすぎでは?とも思いますが、先進性をアピールしたい現段階ではやりすぎぐらいがちょうどいいんでしょうね。

奇抜なフロントに対して、リアは普通に最近のトヨタの高級セダンという感じ。220系クラウンもそうですが、個人的には6ライトキャビンってどうも威厳に欠ける気がします。やっぱり、いかにも後席に座るお偉いさんの安全とプライバシーを守ってくれそうなぶっといCピラーがあった方が高級セダンらしい風格が出るというか……。

運転席に乗り込んでスタートボタンを押すと、電動調整式のステアリングがせり出し、メーターとナビの2面を使った手の込んだアニメーションとともにお出迎え。明らかに普通の車ではありません。インパネを中心に未来感のある要素も多少はあるものの、基本的には「エコカー」ではなく「高級車」の内装です。

メーターを見ると燃費計……じゃないか。km/kgという見慣れない単位の表示があります。

今回はGW中の予約の合間をぬって2時間だけ空き枠を押さえたので夜に乗ることになりましたが、夜に開いている水素ステーションは無いので遠出をするのはやめた方が良いです。なお、初代MIRAIがカレコに入った当初は水素充填時には代金を立て替える必要があったそうですが、今はガソリン車の給油カードに相当するものがあるので料金の心配は要りません。

乗ってみた感想としては、とにかく静かで乗り心地も抜群。「電気だから」というだけではなく、高級車の遮音性、余計な音や振動を伝えない柔らかな足回りが合わさって、世界一静かな車と言っても過言ではないかもしれません。リーフやHonda eなど、パワートレインは静かでも車体は普通なそこらのEVとは次元が違います。

電力を得るプロセスが違うだけで走行自体は電動モーターなので、基本的にはEVと同じ運転感覚です。パワー182ps、トルク30.6kgf・mと、数値だけを見れば2トン近い車重に対してそれほど大きな力があるわけではないのですが、そこは電動モーターならではの立ち上がりの速さで大排気量車と釣り合う加速力を得ています。

ちなみに、こんな車なのになぜかスポーツモードがあります。試しに一回だけ入れてみましたが、60km/hぐらいまでは巨体が無音ですっ飛んで行くような鋭い出足。ただ、いかんせん2トン近い車重がある上にガツンと効くようなブレーキではないので、加速力に見合う減速力はないという点である意味スポーツカーより怖いかも。そういう車でもありませんし、絶対押さない方が良いボタンです。

静粛性や乗り心地も一流ですが、個人的に一番感動したのはブレーキ。ちょっと意識すれば簡単に揺れやショックを完全になくして止まれるんですね。やっぱりこれは“運転手付き”で乗る車です。

ちょっとだけ後部座席にも座ってみると、完全に立派なソファ。自分で運転するのも貴重な体験でしたが、誰かに借りてもらって同乗したくなりました。

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