カレコでレヴォーグ(2代目/VN系)に乗ってみた

自動車

車種ラインナップが豊富で楽しいカーシェアの「カレコ」で、2代目スバル・レヴォーグ(VN系)を借りて乗ってみました。

運転してみたかった理由はいくつかあるのですが、最大の動機は「スバルのCVTは良いよ」という評判を確かめてみたかったから。個人的な好みとしてはMT>有段AT(トルコン/DCT)>HVの電気式CVT(エンブレ代わりに回生が効くから)>CVTという感じで、どうもあんまり好きじゃないんですよね。だからこそ、最良のCVTをちゃんと味わっておきたかったのです。

カレコに導入されているグレードは「GT EX」。ベースグレードのGTに先進安全装備「アイサイトX」を付けたもので、新車価格は3,487,000円。177ps / 30.6kgf・mの1.8L水平対向4気筒ターボエンジンを搭載します。

もはや絶滅危惧種と言っても良いツーリングワゴン。背の高い車ばかりの現代において、広大な荷室を持ちながらも運転の楽しさを犠牲にしないパッケージングは魅力的に映ります。

また、そもそもレヴォーグという車種は、往年のツーリングワゴンの雄・レガシィが海外市場(特にスバルの主戦場である北米市場)のニーズに引っ張られて代を追うごとに肥大化してしまった穴を埋めるため、日本の道路事情に合わせたサイズの別車種として新設されたものです。

全長こそステーションワゴンなので相応に長いですが、全幅1,795mmという扱いやすさは美点。普通のメーカーなら「グローバル戦略だ」といって大きな車を押し付けて終わりでしょうが、わざわざそういう車作りをしてくれるあたり、スバルというメーカーは誠実だなと感心します。

エクステリアは全体的には今風のシュッとしたデザインで悪くないと思いますが、この顔は……うーん。突き出た鼻(グリル)と引っ込んだ小さい目(ライト)がなんともブサイクです。レヴォーグにしてもWRX S4にしても、先代の方が見た目は好きだったなぁ。

内装で目を引くのは、なんと言っても12.3インチの大型モニター。大きさだけでなく、文字入力のレスポンスや2本指での地図拡大なども含めてスマホ感覚で快適に使えます。フルデジタル表示のメーター側へのナビや音楽再生などの情報表示も、まるで欧州車のようで立派です。

全長4,755mmのステーションワゴンですから、かなりの荷室長があります。後席を使っている状態でもビニール傘を縦に置けていることから、なんとなく広さが伝わるでしょうか。

車中泊旅も好きな人としては、後席を倒すと完全に段差がなくフラットな状態になるのも見逃せません。試しにシートを倒して荷室に寝転がってみたら、身長172cmの筆者の場合ほぼまっすぐ横になれました。自転車とかサーフボードとか、大物のアウトドア用品を積んで出かける際にも重宝するでしょう。

そして、やはり走りのイメージも強いスバル車ですから、走行性能も気になるところ。今回は新宿で借りてみなとみらいで撮影、高速も通って相模湖方面のワインディングロードへと、様々な走行シーンを試せるルートを選びました。

まず冒頭で書いたCVTの話から片付けておくと、たしかにスバルのCVTは素晴らしい出来でした。よくある「回転数と速度感のズレ」というような気持ち悪さはありませんし、通常域のアクセルコントロールではCVTらしく一定の回転数を維持して動き、フル加速に近いところまで踏んだ時だけ有段変速のようなステップ制御が入ります。パドルシフトを使った際のレスポンスも良好です(さすがにエンブレはあまり効きませんが)。

スバルはMT比率の高いメーカーという印象もありますが、世界ではじめて量産車にCVTを積んだメーカーでもありますからね。完成度は非常に高いです。

SI-DRIVEによるドライブモードの切り替えは、「インテリジェントモード(I)」と「スポーツモード(S)」の2通り(S#はありません)。ドライブモードの切り替えスイッチというと大抵はセンターコンソールなど「使わない人は使わないし、見向きもしない」場所に置かれているのが一般的だと思いますが、ステアリング上のいつでも押せる位置にボタンがあり、積極的に使わせる設計なのが印象的でした。

両モードの性格がはっきりと違うのも愉快で、インテリジェントモードではリニアでジェントルな出力特性の「静かな快速ワゴン」という印象。それがスポーツモードに切り替えると豹変し、力強いスバル車らしい走りになります。

スポーツモードにすると低回転からトルクが出るようになる分、アクセルを踏んでいくと一拍遅れてグッと押し出されるような荒々しさが目立ちます。ドッカンとは言わないまでも、ターボ車でもNAのようにリニアな出方のものが多い今時の車にしては珍しくやんちゃな挙動です(楽しいですが)。ターボラグなのかな?それともCVTのラグなのかな?

インテリジェントモードで流している分には静粛性も高く、自慢のボクサーサウンドをあまり感じられず逆に残念なぐらい快適。広大な荷室を持ち、実用性もバッチリです。一方で、積載力のある長いボディの存在感を忘れさせてくれるようなコーナリング性能もあり、スポーツモード時のパワー感や四駆の信頼性も含めて走りも楽しめる車です。(私は興味ないけど)アイサイトXだってありますし、こりゃ万能で良い車ですねぇ。

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