世にはびこる「てめー絶対行ったことも撮ったこともねえだろ??」と言いたくなるいい加減な「××のフォトスポット○選」みたいなゴミSEO記事に業を煮やし、実際に足を運んでシャッターを切った場所だけを紹介する本コーナー。今回は、アニメ映画の聖地としても有名なとある階段からお送りします。
今回の撮影場所
今回の撮影地は、東京都新宿区にある「須賀神社男坂」。須賀神社と聞いてすぐに場所を思い浮かべられる人は少ないと思いますが、新海誠監督の大ヒット作『君の名は。』(2016年公開)のポスターやラストシーンのモデルになった場所として有名です。あの人、ほんと新宿好きですよね。
場所は信濃町駅、四谷三丁目駅、四ツ谷駅からそれぞれ徒歩10分ぐらいの中間地点。ちょっと中途半端で足を運びにくい場所ですが、急勾配と狭い道路ばかりの住宅街のど真ん中なので、車では行かないように。
どの駅から行っても歩きますが、強いて言えば南側の信濃町駅から行くと楽です。こちら側からなら階段の上に出るのですぐに有名なアングルで撮れますし、下からも撮りたければ階段を下りつつ他の駅から帰れば、アップダウンで余計な体力を使わずに済みます。
こんな写真が撮れます
以下、実際に現地で撮ってきた写真を掲載します。今回の使用機材は、ボディが「Nikon Z fc」、レンズは「NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR」。カスタムピクチャーコントロールを使用したJPEG撮って出しの写真です。Flickrにフルサイズでアップロードしたものを埋め込んでいるので、じっくり見たい方はリンク先で。
階段の上(南側)に着き、まず目に入った光景。神社そのものはこじんまりとしている上に、男坂とすぐ隣り合っているわけではないのでやや存在感が薄く、住宅街を歩いていたら突然ちょうちんが飾られた立派な階段が現れたという感覚でした。
ちょうちんをくぐって、階段の最上段から真下を見下ろすと劇中の風景に近いです。特徴的な赤い手すり、屋上が階段状になっているマンションなどが一致し、確かにこの場所がモデルであることが分かります(ここで画像を貼るわけにはいかないので各自で見てください)。
なお、ポスターでは前方に六本木ヒルズらしき高層ビルが描かれていましたが、実際には真逆の方向なのでもちろん見えません。あとは、大幅に景色がアレンジされている点としては、現実の須賀神社男坂は高いコンクリートの壁に挟まれているため、新海監督が描くような美しい空が広がる風景は見られません。
下からの見え方はこんな感じ。ほぼ真南を見上げることになるので、下からも撮りたいなら真昼間は避けた方が良いかもしれませんね。今回は朝9時頃に撮影しました。
純粋なフォトスポットとしてのポテンシャルはそれほど高くなく、やはり「聖地」というストーリーありきでしょうか。
あまり開けた場所ではないため引きで撮るなら基本は縦構図、あとは手すりなどの特徴的な部分をアップで撮っておこうかな、というぐらい。ちょっと単調な記録写真になりやすく、良い写真を撮る工夫の余地はそれほどないかと思いますが、好きな人は一度行ってみてもいいかも。