京都まで行かなくても、都内で千本鳥居が撮れちゃう「山王稲荷神社」【作例付きフォトスポット紹介】

カメラ

世にはびこる「てめー絶対行ったことも撮ったこともねえだろ??」と言いたくなるいい加減な「××のフォトスポット○選」みたいなゴミSEO記事に業を煮やし、実際に足を運んでシャッターを切った場所だけを紹介する本コーナー。今回は、東京都千代田区の山王稲荷神社からお送りします。

今回の撮影場所

この記事にたどり着いた人のほとんどは、千本鳥居というものをご存知でしょう。京都の伏見稲荷大社のものが特に有名な、大量の鳥居が参道にずらりと並ぶアレです。被写体としても非常に魅力的で人気がありますよね。

あれは京都まで行かないと見られない・撮れないと思っている方もけっこういるようですが、そもそも伏見稲荷大社にあんなにたくさんの鳥居があるのは決して神社自ら客寄せのために思い切って乱立しているわけではありません。江戸時代から、願いを込めて(あるいは叶ったときに)稲荷神社に鳥居を奉納する慣習があるんです。

そして、稲荷神社(お稲荷さん)は日本で一番多い種類の神社とも言われていますから、伏見稲荷大社ほど大規模ではないまでも、たくさんの鳥居が奉納されるような歴史と規模があるところも探せば案外あちこちにあります。

今回紹介する山王稲荷神社は、溜池山王駅や赤坂見附駅、永田町から歩いていける距離。首相官邸や国会議事堂からも近い都心の一角にこのような空間が残っているのは、なんとも不思議で神聖な雰囲気が漂います。おそらく、都心の人にとっては一番近くて足を運びやすい千本鳥居でしょう。

こんな写真が撮れます

以下、実際に現地で撮ってきた写真を掲載します。今回の使用機材は、ボディが「Nikon Z fc」、レンズは「NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR」。カスタムピクチャーコントロールを使用したJPEG撮って出しの写真です。Flickrにフルサイズでアップロードしたものを埋め込んでいるので、じっくり見たい方はリンク先で。

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山王稲荷神社は日枝神社の境内に集まっている神社のひとつなのですが、ここって、けっこう不思議な立地にあるんですよね。

大通り(外堀通り)と国会議事堂のほうに上がっていく細い道の間に鳥居だけが立っていて、横断歩道を渡った先の石垣にひっそりと設けられた階段を登ると千本鳥居に続いています。外から見ても、ここに千本鳥居があるとはなかなか気付かないかも。

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昔の日本語の「千」なんてのは「いっぱい」程度の意味ですから、1,000本もないだろ!とか言っても仕方がありません。あくまで比喩です、比喩。参道自体も短くまっすぐなので、実際には数十本程度でしょうか。

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伏見稲荷大社のように山頂まで延々と続く道に鳥居がびっしりと並び、しかもぐねぐねと曲がって……というような圧巻のスケールを期待してはいけませんが、撮り方次第では十分迫力のある写真が撮れますよ。

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あっという間に登りきってしまいました。それにしても、都心とは思えない癒やしの空間ですね。

おまけ

余談ですが、冒頭でも説明したとおり、この鳥居はすべてどこかの誰かが奉納したもの。こういったものは奉納者にじっくり目を通していくのもまた味わい深いです。

都心にあるという場所柄か、個人よりは会社名・代表者名の奉納が多い印象で、誰もが知っている鉄道会社などの有名企業も名を連ねていました。また、実は近隣の稲荷神社同士で贈り合っているのも見えてちょっと面白いなーと思ったり。

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