突然ですが、駅弁って良いですよね。一日中移動し続けるような慌ただしい行路でもその土地の味や香りを楽しめるありがたい存在です。
ハレの弁当とケの弁当の違いをあらためて考えると、中身のクオリティや豪華さもさることながら、旅情をかきたて、ワクワクさせてくれる仕掛けとしての凝った器や掛け紙もかなり重要かと。特に、「峠の釜めし」のように旅が終わった後も記念品として手元に残るような物はうれしいですよね。
さて、当然駅弁は旅先で食べるのが一番ですが、実は都内の主要駅には(催事ではなく常設で)東西さまざまな駅弁が集結する店舗もいくつかあります。ズルして食べる駅弁もまた良いものです。
ある日、新宿駅の駅弁売り場をのぞいてみると、面白いものを発見しました。
その名も「JR貨物コンテナ弁当」。え?貨物の駅弁?そもそもそれ、どこの駅弁だよ。
コンテナ型の素敵な容器が欲しくなったのもあり、つい買ってしまいました。神戸の「ひっぱりだこ飯」などで有名な淡路屋さんの商品だそうで、2022年の元旦から売られています。JR貨物の公認駅弁は史上初だそう(そりゃそうだ)。
私はふらっと入ったお店で発見して衝動買いしましたが、発売直後はちょっと話題になって品薄だったそうで。余談ですが、品薄解消直後のツイートが最近の国際的なコンテナ不足と掛けていてちょっとうまい。
【淡路屋・入荷情報】無事にコンテナ不足が解消。4月1日より販売再開します。弊店各店や関西主要駅の旅弁当、東京駅「祭」グランスタ店などで販売。弊店WEBストアでも4月1日0時より受注再開。日々数量に限りはありますが、当面の間、販売継続。
※事前の店頭予約は不可(_ _)https://t.co/nD2wbDYWFs pic.twitter.com/Zmp8CzCZnH— 神戸駅弁 淡路屋 (@awajiya1682) March 30, 2022
紙箱を開けてみると、鉄道貨物輸送の規模について簡潔ながら興味をひく説明が書かれていました。社会的な貢献度の割にあまり意識されていないというか、下手したら貨物が別会社ということ自体もあまり知られていないでしょうし、この弁当の人気ぶりは良い宣伝になったのかも(買ってる人の大半はわかってる鉄オタだろうけどさ)。
紙箱から取り出し、プラスチック製のコンテナを鑑賞。ただの箱型ではなくディテールもしっかり再現されていて、なかなかリアル。19D形という主流の12フィートコンテナがモデルで、番号などの表記は4方向すべての側面に印刷されています。単体で1,000円ぐらいでコンテナ型小物入れとして売られていてもたぶん買っちゃうぐらいのクオリティです。
駅弁というのは買ってすぐ食べることが前提になっていますから、コンビニ弁当などと違って箸(物によってはお手拭きも)がほぼ必ず入っています。でも、このコンテナの大きさだと入らなくない?と思いつつ開けてみたら、伸縮式の変わった箸が入っていました。
中身はすき焼き丼。駅弁らしいご当地感は少ないかもしれませんが、甘め・濃いめの味付けでこれが嫌いな日本人はあまりいなさそうな感じ。ごはんは醤油だれで味付けしてあり、すき焼きの汁が染みたようになっていて美味しいです。
コンテナ弁当は第2弾以降も計画されているそうなので、中身・外見ともに期待したいですね。次は、一世代前の水色に白ストライプのコンテナ(18D形)も並べたいな~。