とある事情からタブレットを1枚持っておきたくなり、ああでもない、こうでもないと考えながらTwitterに書き連ねていたのですが、そこそこ長い話になりそうなのでブログにまとめておくことにしました。主観100%の話なので特に何の参考にもならないと思いますが、すごい暇な人は読んでもいいです。許可します。
前提:私とタブレットの距離感
モバイルOSを搭載したタブレット端末なんてものは出始めの頃から散々買ってきていて、それこそ初代iPadなんてわざわざセルラーモデルを契約してフル活用していました。
ただ、それゆえに便利さも中途半端さもとっくに十分味わって冷めてしまったのか、ここ5,6年はもうタブレットを持っていない(使っていない)期間のほうが長く、年イチぐらいでふと思い立って買ってみては「やっぱ生活に組み込む余地も意味もないや、いらね」と手放すという確認作業を繰り返す学習能力のないbotと化しています。
近年はイラスト制作や写真現像のような用途での普及も進んでいるのでその限りではありませんが、特定分野のクリエイター(その利用に耐えうる一握りの機種)を除けば、やはりタブレットというのは根本的に「作り手」より「受け手」、コンテンツ消費者の側に立ったデバイスだと思います。そこが個人的にはわざわざ高い金を出して買うほどではない中途半端な道具と感じてしまい、あまり使わない最大の理由です。
って言うと、「俺はiPad 1台であれもこれもこんなにカッコ良くこなしてるぜ」みたいなしょうもないのが出てくるんですが、バカじゃねーの、と。コストでも機動力でも特段メリットがなく(フル装備のiPadは普通にモバイルノートPCより重い)、作業効率も中途半端。ドヤ顔でイキれる以外のメリットある?と思ってしまうわけです(私が重要視する範囲には無いだけで、実際には何かしらはあるんでしょうけど)。こっちは10年前にそこ通過してんだわ。
そんなわけで、前提として私のタブレット観は、限りなく「無くてもいい」寄りの「あっても無くてもいい」です。
今回の購入動機
ちなみに前回タブレットを買ったのは約2年前。2020年秋に「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat.初音ミク」のサービス開始に合わせてiPad(第8世代)を買いました。音ゲー専用だから安くてそこそこ新しくて動作に支障がなければ十分という判断ですね。
この時は1ヶ月ぐらいで目的のゲーム自体を触らなくなったのでiPadも売りました。音ゲーは好きだけど、思い入れのないキャラの単調なストーリーを読んだりキャラ育成しないといけない、いわゆるソシャゲ的な部分の作業感が性に合わんのですなぁ。
今回またタブレットを買おうと思った理由は非常にシンプルで、用途としては「動画を観る」、ただそれだけ。
最近あるイラストレーターの方(Vのオタクだとは思われたくないので意地でもそうは言わない)にハマっていてライブ配信やアーカイブ動画を見まくっているのですが、1~2時間ぐらいの長い動画をスマートフォンで見続けるのは、サイズの問題だけじゃなくてその間他のアプリを使えないという意味でもちょっとしんどいんですよね。
かと言ってPCで見るのも作業領域の一部が長時間埋まることになるのでやっぱり微妙ですし、そもそもアーカイブならともかく、生で見る時はけっこう突発的に配信されることもあるので家で見るとは限りません。そう考えると、やっぱり外に持ち出せてそこそこ大画面で視聴体験に優れるタブレットが良さそうです。
タブレットに求める条件と候補機種
動画を再生するだけなら大したスペックも要らないのでなんでも良いといえば良いのですが(使用時間の大半が無操作になるのでモッサリしていても関係ありませんし)、そこはやっぱり少しでもきれいに観たいですし、推しの声は良い音で聴きたいに決まっています。条件をざっとまとめると以下のようになりました。
・画面サイズは10インチ以上。1080p配信なので解像度はフルHD以上なら不問
(同じ理由で120Hzとかもマストではない)
・デュアル/クアッドスピーカー
(ワイヤレスイヤホンだと途中で電池切れがち)
・Androidなら11以上、iPadなら現行OS(iPadOS 15)のサポート対象
・YouTube用なのでFire(Amazon)とMatePad(HUAWEI)は不可
・ほぼ自宅用なのでWi-FiモデルでOK
・充電端子はUSB Type-C
(iPhoneユーザーではないのでタブレット1台のためにLightningを常設したくない)
割とシンプルな条件のように見えて、画と音のクオリティを重視すると結果的にプレミアム路線の機種に絞られていきます。いま買える機種を眺めて、候補をまとめてみました。
・Xiaomi Pad 5(4万円台)
・Galaxy Tab S8+(12万円台)
・Lenovo Tab P12 Pro(11万円台)
・iPad Air(第5世代)(74,800円~)
・11インチiPad Pro(第2世代)(中古で7万円台~)
動画用という主目的以外ではタブレットに夢を見ていないので、AndroidでもiPadでも別に良いです。Androidタブレットは復権の流れが来ているとはいえ闇の空白期が長すぎてろくなアプリがありませんから、普通に使うなら悪いことは言わないのでiPadにしてください。
まぁ、iPadを買う場合、Airにしてもminiにしてもそもそも全然売ってない問題があるんですけどね……。
検討事項:AndroidでもiPadでも時期が悪い疑惑
用途を割り切っているとはいえ、買ったら買ったで少しぐらいはYouTube以外にもついでに使うことはあると思います。そうなると「今はタブレットを買うには時期が悪いのではないか」という疑問が浮かんできました。
これは別に半導体不足だとか円安だとかの話をしたいわけではなくて(そんなのなんだって同じです)、両陣営ともに変革期を迎えていて、何を買えば1~2年後に波に取り残されずに済むかの判断が難しいのです。

Android 12L(画像:Google)
まずAndroidの場合、タブレットやフォルダブルスマートフォンなどの大画面デバイスに合わせた大幅なUI刷新が予定されている「Android 12L」にアップデートできるかどうかで将来性が大きく変わります。
XiaomiやLenovoのタブレットはお世辞にもアップデートに積極的とは言えません(Lenovoでも上位機種のPシリーズは比較的やる気があるようですが)。ここ2年ほどでプレミアム路線のAndroidタブレットの選択肢が増えつつありますが、今このタイミングで手を出しても無駄にならない(ちゃんと12Lになる)と言い切れるのはGalaxy Tab S8シリーズだけです。しかし残念ながら、今回の条件ではあまりにもオーバースペックで高価なので、それも現実的な選択肢ではないでしょう。

iPadOS 16のStage Manager(画像:Apple)
iPadの場合も少し事情が似ていて、近い将来、「iPhoneを拡大したようなカジュアルな使い方のiPad」と「デスクトップOSに近い作業性を確保したプロユースのiPad」の差別化がハードとソフトの両面で進んでいくと予想されます。
そう推測できる根拠としては、WWDC22で発表された次期OS「iPadOS 16」に搭載予定のマルチタスク機能「Stage Manager」が挙げられます。Stage Managerの対応範囲はM1搭載iPadとされているため、iPad Air(第5世代)もひとまずは“Pro側”に含まれたわけですが、iPadの機種ラインナップを考えるとその立ち位置は非常に微妙なところ。今後同じようにプロ路線の魅力的な新機能が登場した時も確実にM1 Airがそちら側に入れるとは断言できません。
結論:将来の心配なんて、また買えばいいじゃない
話をまとめると、今求める条件を考えれば下手な安物で済ませることはできず、ある程度プレミアム寄りの機種が必要ではあるものの、高い買い物をするだけの将来性を考えてしまうとAndroidにしてもiPadにしても時期が悪いという困った状況です。
まだ何を買うか確定はしていないのですが、大まかな方針としては「Android 12Lアプデには期待せず、2023年に登場予定のPixel Tabletに買い替える前提で、一旦XiaomiかLenovoのそこそこの機種を買っておく」というのが私の作戦です。不確定要素を排除しつつ常にベストな体験を得るには、やはりアプデ待ちなんかしない金払いの良い客になるのが正義ってことで。