「OPPO Reno7 A」レビュー:見た目は良くバランスも取れているが……

デジモノ

オウガ・ジャパンの新型スマートフォン「OPPO Reno7 A」が6月23日に発売されました。発売日の朝に購入して10日ほど使ってみて、色々見えてきたのでそろそろまとめておきたいと思います。

「OPPO Reno7 A」ってどんな機種?

OPPOは2022年第1四半期時点で世界シェア4位のスマートフォンメーカー(シンガポールCanalys調べ)で、日本市場には2018年1月に参入しました。参入当初の数機種こそはっきり言って泣かず飛ばずでしたが、満を持して投入した日本向け戦略機種「OPPO Reno A」(2019年6月発売)の爆発的ヒットを皮切りに、凄まじいペースで確実に日本でもシェアを伸ばしてきたメーカーです。

その後もOPPO Reno Aの後継機種は毎年発売されており、SIMフリー市場を中心に手堅く好調な結果を残しています。4代目となる今回の「OPPO Reno7 A」では、日本のユーザーの好みを調べ上げてデザインを一新。機能面では、市場環境の変化を踏まえて「長持ち」をテーマとしました。

Snapdragon 695 5G/RAM 6GB/ROM 128GB/6.4インチOLED/バッテリー4,500mAhといったスペックで価格は44,800円(SIMフリー版)。部品調達コストの上昇や円安の進行など厳しい状況が続く中、大きなスペックダウンもせず前年比で+1,000円に抑えました。もちろん、防水防塵やFeliCaには引き続き対応しています。

外観:新鮮かつ見栄えも良く好印象

まずは外観からチェックしていきましょう。前面はよくある最近のスマートフォンという感じですね。ベゼルはそれなりに細めで、パンチホール型のインカメラは左上に配置。

細かい事を言えば、ボディのデザインが変わったのにディスプレイの角のカットがちょっと前のOPPOスマホの形状に合わせたゆるいカーブのままだったり、顎がちょっと長かったりと違和感が残らなくもありませんが、まあ限られた予算内で使えるものを有効活用して頑張っているってことなんじゃないですかね。たぶん。

デザイン面での最大の注目ポイントは、背面に施された「OPPO Glow」という特殊加工。実は数年前から海外モデルでは使われているのですが日本向けモデルとしては初採用ですし、他社にもあまり似たような仕上げはないので非常に目を引きます。

マットでさらさらした手触り、過度な光沢のない落ち着いた質感に見えて、光の当て方によっては無数の粒が鈍く乱反射するという美しい加工です。OPPO Glowはドリームブルー、スターリーブラックの両色に採用されています(記事中の写真はドリームブルー)。

OPPO Glow採用の背面パネルも見事ながら、個人的には側面フレームの仕上げにも感心しました。歴代のReno Aシリーズと同様に今回も樹脂製なのですが、ぱっと見アルミっぽい質感表現がかなり上手。規模と体力があって研究開発に力を入れているメーカーはこういう部分も強いですよねぇ。時計分野でのカシオの樹脂素材の調理の上手さと似たものを感じます。

ボディ形状自体はiPhone 12/13フォロワーという感じの最近ありがちなカタチですが、面取りもしっかりされている上にそもそも樹脂なので鋭利なフチに触れる不快感はありません。

話は少し脱線しますが、元ネタのiPhoneは「金属なのによくぞここまで」と思うほどに不快感なく握れるまで丁寧に仕上げられているのに、他社のメタルフレームで上っ面だけ真似した機種はどれもダメ(Galaxy S22はフチ、Xperia 1 IVはカドが気になる)。このトレンドは早く過ぎてほしい……

充電端子はもちろんUSB Type-C。最近ではすっかり搭載機種が減ったイヤホンジャックも残されています。

スピーカーは残念ながらモノラル。音自体は決して悪くないものの、ミドルレンジのなかでは価格的に「ちょっと良い機種」寄りではあるので、さすがに今時モノラルはないんじゃない?とは思ってしまいますね。専用スピーカーを増やす余裕はないにしても、受話口兼用でもあるのとないのでは捉えられ方が違うだろうなと。

SIMカードトレイは左側面の上寄りに配置。SIM2とmicroSDカードは排他利用です。ただしeSIMにも対応しているため、microSDを使いつつ2回線同時利用もしたいという人は、サブ回線をeSIMにしてしまえばOK。

横に置いたnanoSIMと見比べてもらうと伝わるかと思いますが、カメラ周りの突起はかなり控えめ。

なお、カメラは約4,800万画素 F1.7(広角)+約800万画素 F2.2(超広角)+約200万画素 F2.4(マクロ)の3眼構成。外観的にはマクロ以外の2つが強調されているため、デュアルカメラ+αという感じの見た目ですね。

スペック・動作:現時点では大きな不満なし。3年使えるかは疑問

OPPO Reno7 A(CPH2353)のスペック
・SoC:Qualcomm Snapdragon 695 5G
・メモリ:6GB(LPDDR4X 2133MHz)
・ストレージ:128GB(UFS 2.2)+microSDXC(最大1TB)
・画面サイズ:6.4インチ(画面占有率89.4%)
・画面解像度:2,400×1,080(FHD+)
・その他ディスプレイ仕様:有機EL/DCI-P3 100%/リフレッシュレート90Hz/タッチサンプリングレート180Hz
・アウトカメラ:約4,800万画素 F1.7(広角)+約800万画素 F2.2(超広角)+約200万画素 F2.4(マクロ)
・インカメラ:約1,600万画素 F2.4
・対応バンド:5G n3/n28/n41/n77/n78、4G 1/3/4/5/8/12/17/18/19/26/28/38/40/41/42
・Wi-Fi:IEEE 802.11a/b/g/n/ac
・Bluetooth:Bluetooth 5.1(LDAC対応)
・バッテリー:4,500mAh
・充電端子:USB Type-C
・急速充電:USB PD(最大18W)
・OS:Android 11(ColorOS 12)
・サイズ:約159.7×73.4×7.6mm
・重量:約175g

ベンチマークスコア(AnTuTu/Geekbench/3DMark)

Reno Aシリーズは順当に進化し続けているように見えて、実は意外とスペック的には一貫性がないんですよね。その時々でベストを尽くした結果なのかもしれません。

1年前のReno5 AからReno7 Aになって性能的に大きく変わる部分としては、まずSoCがSnapdragon 765GからSnapdragon 695になりました。「あれ?」と思われた方も多いでしょう、チップの名称的にはダウングレードにも見えてしまいますが、実は設計が新しいSnapdragon 695の方がほんの少し速いのです。少なくとも発売時点では普段使いにはまあ困らないよね、というぐらいのスペックといえます。

それでも、長く使ってもらいたいというコンセプトの機種でありながら、長期的なサポート対応の障壁になりかねない下位シリーズのSoCを採用したり、アップデート予算を無駄食いしかねないAndroid 11ベースの古いシステムで出荷したりと、コンセプトに反して長期的には評価しにくい仕様である点は疑問が残ります。この話は長くなるので別記事に書きました。

操作・使い勝手:年々減ってるけど「ColorOSのクセ」は人によっては気になるかも

OPPOのスマートフォンには「ColorOS」というものが搭載されています。たいそうな名前が付いてはいますがOS自体はあくまでAndroidで(Reno7 Aの場合はAndroid 11ベース)、そこに独自のUIを被せて機能を追加したものがColorOS。ま、どこのメーカーも多かれ少なかれやっている範囲のカスタマイズであり、Xiaomiの「MIUI」、Galaxyの「One UI」などと同じようなものです。

このColorOS、昔はかなりの曲者でした。普通のAndroid端末から乗り換えると馴染みにくいどころか嫌悪感すら抱くほど無意味にiOSライクなUI、パスワード入力時のIME変更ができなかったり開発者オプションを有効にし続けられなかったりとお節介で不自由なセキュリティ志向……その頃からすれば、今のColorOSはそこまで身構えずに使えると思います。心の広い人か、あまりこだわらない人なら普通のAndroidの感覚で問題なく使えるはず。

今でもColorOSを使う上で引っかかる点があるとすれば、思いつく範囲では、アプリの省電力設定(バックグラウンドで勝手に落とされて動作に支障が出るやつ。HUAWEIなんかもそうでしたよね)、開発者オプションで画面の最小幅を手入力しても再起動するとリセットされる(通常設定で選べる表示サイズが老眼用すぎるので個人的にはかなりつらい)、通知の見た目が弄られているせいでGmailの新着が数件ある時に通知から受信トレイに飛べない(どれか一通を開くことしかできない)とかですかね。どれも地味~にモヤモヤするポイントではありますが、まぁこの程度です。

使い勝手の点で言えば、やはり画面内指紋認証が復活したことは評価したいですね。初代Reno AとReno3 Aは画面内指紋認証を採用していましたが、昨年のReno5 Aではコストの兼ね合いからか通常の背面指紋認証になってしまいました。

たしかに背面指紋認証ならではのメリットも少なからずあったのですが、やはり画面内指紋認証の先進性、机に置いたままロックを解除して色々確認できる利便性など、初代からの強みがひとつ失われてしまったという意味では「退化」と思ってしまったところ。そして、画面下に指紋センサーを埋め込むにはバックライトを持たない有機ELが前提として必要になるため(Reno5 Aは液晶)、セットで復活を喜びたいポイントです。

Reno7 Aの有機ELディスプレイはFHD+と十分な解像度を持っていますし、ミドルレンジとしては十分なめらかな90Hz表示に対応しています(ただしSoCのパワー不足で若干追い付いていない気も)。画面輝度が通常430nit/最大600nitと最近のスマートフォン用有機ELパネルとしては低めな点が惜しいものの、晴天の屋外で見えないというほどではないので許容範囲かと。

カメラ:ひっそりと退化、過度の期待は禁物

OPPOってカメラにけっこう力を入れているメーカーで、各国に展開している研究開発拠点のうち、日本(横浜)では主にカメラ周りをやっているんですよ。そして、前機種のReno5 Aは「カメラで選ばれたい5Gスマホ」なんてキャッチコピーも掲げていました。なので、Reno7 Aも4万円台の機種としてはきっといい感じのカメラなんだろうな、と少し期待していたのですが……

残念ながら、カメラに関してはReno5 A比でも若干ダウングレードしたと言えます。

繰り返しになりますが、Reno7 Aのカメラ構成は約4,800万画素 F1.7(広角)+約800万画素 F2.2(超広角)+約200万画素 F2.4(マクロ)のトリプルカメラ。Reno5 Aはメインの広角カメラが約6,400万画素で、4番目のカメラとして約200万画素のモノクロ補助カメラがありました。個人的には豆粒高画素センサーもモノクロカメラも効果が疑わしいのであってもなくても構わないと思いますが、ひとまずスペック上はそういうこと。ちなみに、Reno7 AのセンサーはメインセンサーはIMX581(ソニー)であることが発表資料などで明かされています。

それだけなら「別にいいじゃん、変わんないよ」で終わるところなのですが、実はReno5 Aどころか初代Reno Aから対応していた4K動画撮影すら切られていますし、実際の写りもあまり良くありません。

上の2枚は同じ場所からメインカメラと超広角(120°)で撮った写真です。投稿用にリサイズしているので解像感については無視していただくとして、性能的に劣るはずのおまけ(超広角)の方が色も露出もまともそうに見えるのが不穏ですね。

お次は2枚ともメインカメラ。HDRオフ→オンで続けて撮った写真です。HDRオフ時の凄まじい白飛び具合、ダイナミックレンジの狭さがうかがい知れます。

接写はそう悪くないですね。200万画素マクロとかいう要らないやつじゃなくて、メインカメラで普通に寄っただけ。特に変わった機能は使っていませんが、多少いい感じにボケが出ています。IMX581のセンサーサイズはどれぐらいなんだろう?

夜景はまったくダメですね。ガサガサ、ボヤボヤ、とどめに全然止まりません。まあReno5 Aも夜景は苦手気味でしたし、コストのかかる手ぶれ補正を積めない低価格機では、よっぽど画像処理がうまいところ以外ならこんなもんだと思います。

上の2枚は同じ場所からデジタルズーム(2倍)で撮り比べました。望遠カメラはないのでどうしてもデジタルズームで補うことになりますが、まあ2倍程度までなら問題なく見られますね。

ラスト2枚はメシ撮り。色温度は悪くないのですが、カツの写真はバリバリで描写が荒い上に白飛び気味ですね。夜景や昼間の屋外でもそうでしたが、全体的に露出がオーバーすぎる傾向があるように思います。

あと、色は悪くないなんて書いてはみたものの、実は「さすがにカメラ作例としてでもお店に悪いや……」と思ってボツにした作例が2軒分ありまして。自然光が射し込んでいるような店だと色味がおかしくなりがちでした。

一連のカメラパートの冷め切ったコメントからお察しいただけたかと思いますが、カメラフォンを標榜して上陸してきたOPPOがこのザマかね?と少しガッカリしてしまう程度には、外す場面が多い印象でした。

総評:今年も「70点」だけど、どの30点を捨てているのかを考えてから買った方が良い

Reno Aシリーズ、そして今年のOPPO Reno7 Aを簡潔に評価すると、多くの日本人がそこそこ満足する「70点」の機種作りを地道に続けていて、その目標は今年も十分に達成できていると思います。

ただ、毎年買っている人間から言わせてもらえば、合計得点はずっと70点でも、どの30点をバッサリ捨てるかが毎回違うんですよね。それだけギリギリのところでシビアな取捨選択を繰り返して、価格競争力の高い製品を毎年出して勝ち続けている点はもちろん称賛に値するのですが、個々人の買い物における判断としては「去年良かったから今年も良いはず」が意外と通用しないシリーズでもあります。

今回の場合、「日本人受けの良い新しいデザインを全力で練ろう」「市場環境は悪いけど価格は維持しないと売れない」「去年の反応を見て有機ELと画面内指紋認証は復活させよう」あたりが優先された項目で、SoC、OSバージョン(開発スケジュール?)、カメラあたりは優先順位が下がった項目ですよね。

トータルで見れば間違いなく無難なスマホなのですが、じっくり見ていくと「全科目70点」じゃなくて捨て科目もそれなりにあるので、合う合わないはよく考えた上で判断されると良いんじゃないでしょうか。

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