N-ONE RS(JG3/6MT)に試乗した感想

自動車

N-ONE RSの6MT車に試乗した際の写真とメモを発掘したので記録しておきます。試乗時期は2021年3月頃とだいぶ前の話になりますがお付き合いください。

N-ONEは、売れ筋のN-BOXよりは少し背が低い(スーパーハイト系ではない)セミトールワゴン型の軽自動車で、プレミアム軽という要素も持っています。2012年から2020年まで初代JG1/JG2型が販売され、2020年には一般的なモデルチェンジの考え方とは真逆の「見た目はほぼ同じでプラットフォームを変更」という異例のパターンでフルモデルチェンジを受け、2代目のJG3/JG4型に移行しました。

不思議なフルモデルチェンジ自体も話題になりましたが、特に注目されたのはスポーツグレードの「RS」。N-ONE初……というより、FFターボの軽自動車として初らしい6MT車が追加されたのです。

2代目N-ONEはフロントライトもヘッドライトもLEDに変わり、フチだけ光る高級感のあるウインカーになったのが素敵です。和製ミニ……は言い過ぎか。見た目は同じで中身だけ刷新、というこのやり方はぜひ次世代でも続けてもらって、このまま電動化されてリトルHonda e的存在になってもそれはそれでサマになる気がします。

話をRSグレードに戻すと、このプレミアムイエローII×ブラックのツートンカラーは見るからにスポーティー。シンプルなマットブラックのホイールも似合っています。ドアハンドルやロゴもブラックアウトされていて、ノーマルでも走る車っぽい雰囲気が出ています。あとは車高を少し下げたら完成、ぐらいの感じ。フロントはフォグ周りの加飾(Premium/Premium Tourerと共通)が無粋かな~……素のグレード(Original)の顔が一番好きですね。

RSグレードの伝統であるオレンジ色が内装の差し色に使われており、これはボディカラーを何色にしても変わりません。意味は分かるけれど好き嫌いは分かれそうというか、個人的にはここまでの主張はいらないので他グレード流用で普通の色に戻したいぐらいですね。

短時間かつ街中でのディーラー試乗のため、ご自慢の6速までシフトアップすることはありませんでしたが、S660譲りのシフトフィールは心地良かったですし、賛否両論のあるシフトノブの位置(インパネシフト)についても、先入観なく触ってみれば、ステアリングに近い分だけ速やかに操作でき、横着せず積極的に変速していけるのでこれはこれでアリだなと思いました。

また、660ccのエンジンとはいえ意外とトルクがあって、2名乗車であってもそれなりに余裕を持って発進できます。そもそもN-ONE自体がプレミアム路線ですから、乗り心地や居住性は軽自動車というよりコンパクトカーに近い感覚。歩道を横切って出入りする際の段差を乗り越える時にようやく「そういえば軽だった」と思い出す程度には、クラスを超えた上質さのある「軽だけどちょっといい車」です。まあ実際、200万円オーバーなのでお値段的にも下手したら登録車が買えてしまうのですが……。

私見ですが、これは「若い頃はスポーツカーでヤンチャしてた40~50代のオジサン」向けの車なんじゃないかな、という感想を抱きました。実用性もバッチリで大人な上質さもありつつ、少し個性を主張できるスポーティな雰囲気もプラスされている、という塩梅。イメージ以上に意外と背が高いのでコーナリング性能はたかが知れていますし(ワンメイクレースなんかやってますけどしょっちゅう横転してますよね)、ドラポジだってフツーの実用軽です。つい比べてしまいがちですが、アルトワークスとかと比較して選ぶもんじゃあないですね。明確に意図が違います。

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