ジンバルカメラといえば基本的に動画を撮るためのもの。私は動画より静止画の方が圧倒的に撮る機会の多い人間ですが、あくまで動画用機材として運用しているDJI Pocket 2であえて写真を撮ってみたことはありませんでした。
でも、一応撮れるんですよね。大抵は間違えてボタンを押してモードを切り替えてしまって「邪魔だなぁ」と思うだけのおまけ機能なのですが、せっかくあるのに見向きもしないのももったいない気がしたので、お遊びで使ってみることにしました。
ひとまず適当に1枚。DJI Pocket 2のカメラスペックは、約6400万画素の1/1.7型CMOSイメージセンサーに35mm判換算で20mm相当の超広角レンズ(F1.8固定)。スマホ・コンデジ系のセンサーなのでアスペクト比は4:3です。
Vlog用のカメラということで本来の用途的にかなりの超広角ですし、静止画の文脈ではあまり使い慣れないアスペクト比なので(かと言って動画では基本16:9なのでセンサー全面は使わない)、どうしてもスカスカになりがちでサマになる写真を撮るのは慣れが必要そうな画角ですね。
そして、ブレや傾きとは無縁かと思いきや、意外と「雑に撮ってもどうせ絶対水平にしてくれるだろ」という過信はできないことが上の写真からわかります。
スペック的にはそこらのスマートフォンに負けず劣らずだと思いますが、やはりソフトの面で力が入っていないのでおまけ程度の写り……一昔前のスマートフォンか、(高級コンデジではない)普通のコンデジ程度という感じです。
HDRが効かなくて逆光はかなり厳しい……これはどこかに設定があるかも(DJI Mimoに繋がずに単体で使っている時って、深い部分の操作は正直面倒で……)。
照明の多い夜景は白飛びしてしまう部分が多かったです。これは本業の動画撮影時でもそうで、さすがに機動力重視のハンディ機材で夜間撮影までこなそうとするのは酷でしょう。
ただ、過度の補正をかけがちなスマートフォンのカメラによくある、夜空が白っぽかったり青かったりするような不自然さはなく、しっかりと黒が締まっていてノイズもそれほど目立たず、白飛びに目をつぶれば案外善戦しているような気も。
静止画撮影でも嬉しいこのカメラならではの能力は、やはりブレにめっぽう強いこと。身構えずに片手を掲げてパシャっと適当に撮っても、こんな低速シャッターで躍動感のある写真を安定して撮れてしまいます(上の写真はSS 1/10)。ハイアマ~プロ級の大きなミラーレス一眼ならともかく、スチルの機材ではこんなコンパクトなカメラで(しかも超広角で)低速撮影ができるというものはないので、ちょっと新鮮かもしれません。
そんなわけで、縛りプレイのスナップ機材としては案外楽しめなくはないな……と思ってしまいましたが、冷静に考えればクオリティ的には、まぁ、ね?
まったく撮れないというわけでもないので、動画撮影中にカメラを持ち替えずにサムネイル用の写真も撮っておく程度なら良いんじゃないでしょうか。

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