先日発売された限定G-SHOCK「GA-2100HUF-5AJR」を遅ればせながら入手しました。今紹介してもおそらく買える人はほとんどいない(オンラインで露出していない地方の時計店とかなら残ってるかも)のが残念ですが、非常に出来の良いモデルなのでレビューしておきたいと思います。
「HUF」20周年記念モデル。コラボ先を知らなくても必見の仕様
まずは、そもそもコレなんなの?ってところからざっくり紹介を。GA-2100HUF-5AJRは、プロスケーターのキース・ハフナゲル氏が2002年に創設したストリートファッションブランド「HUF」とのコラボ商品です。HUFの店舗では7月22日に発売され、カシオ側では8月1日にオンラインで予約を受け付けました(即日完売)。いちおう市中のG-SHOCK取扱店経由の流通分もあり、一般発売日は8月5日でした。
HUFとのコラボ自体は2015年や2017年にも行われていますが、今回はHUFの20周年記念アイテムのひとつでもあり、単なるレギュラーモデルの色替えではない手の込んだ物になっています。通常品よりもコストのかかったバンドや(おそらく)新規設計の接続パーツを使いつつ、2万円切りの19,250円とは超良心的。
近年のG-SHOCKの中でも非常に人気が高く、いまやスクエアデジタルのオリジン系(5000/5600)と並ぶ代表シリーズとなっている通称“カシオーク”ことGA-2100をベースに、純正状態のG-SHOCKとしては非常に珍しいクロスバンドを装着。HUFのブランドカラーであるライムグリーンをダイヤルに取り入れ、クリアパーツも巧みに使われた個性的な一本です。
余談ですが、実はこのHUFコラボモデルと同じ8月1日にBAMFORDコラボモデルの「DW-6900BWD-1JR」も発売されており、そちらは国内外問わず炎上寸前レベルの激しい争奪戦が繰り広げられたようです。あちらと比べればHUFコラボはまだなんとか欲しい人の手に行き渡ったんじゃないかと思います……と言いつつ、実は私もHUFコラボの争奪戦に一度負けたクチ。
「オタククンがHUF屋さんに行くのは場違いすぎてしんどいし、カシオオンラインストアで8月1日0時にすかさず注文しよう」と思っていたら、BAMFORDの方の混乱に巻き込まれたのか、システムが終わっていてカートに入らなかったんですよね。しかし一般店の発売日に根気よく回る暇もなく、これはもう完全に買い逃したな……と思っていたら、8月8日になってキャンセルが出たのか某家電量販店で運良く在庫を確保できました。
限定モデルならではのスペシャルパッケージでテンションUP
いつものG-SHOCKなら、MT-GやMR-Gなどの別ブランドが冠される一部の高級機を除けば、たとえフルメタルだとしても店頭で簡素な黒い箱に詰めて渡されるのが普通。しかし、そこはさすが限定モデル。とても素敵な専用パッケージが用意されていました。
私は「買い物は会計時と開封時が楽しさのピーク」と思っている人なので、楽しみを邪魔されたくなくていわゆる“開封の儀”的なヤツはあまりちゃんと撮らないんですが(あまり細かく撮ってもぶっちゃけ読者目線で要らなくね?と思いますし)、今回はパッケージが良すぎてついたくさん撮ってしまいましたよ。
ライムグリーンを基調とした紙箱の上に、同じくライムグリーンで地図が描かれた透明なスリーブが着けられていました。まずはこれを外して……
横開きの箱をパカッと。おお、内側も地図がモチーフですね。本体の色使いとも相まって、どことなく冒険感があります。これはどこの地図なんだろう?と調べてみると、HUFの創業地であるサンフランシスコの市街地だそう。
独特なのにまとまっている、センスの光る色使い
最注目ポイントはナイロンベルトなのですが、まずは本体から見てみましょう。文字盤はサンドベージュ的な色がベースで、一番目立つインデックスと外枠の部分がHUFのライムグリーンになっています。曜日や液晶表示の説明など、各種印字はライムグリーンとオレンジの2色を使い分けてあり、賑やかでポップな雰囲気です。
アナデジタイプなので、ライトボタンを押して光るのは右下の小窓のみ。ここもしっかり緑色です。
そうそう、2100シリーズといえば最近スマートフォンリンク(Bluetooth)対応版のGA-B2100が登場したばかりですが、このコラボモデルは素のGA-2100がベースなので念のためご注意を。GA-2100の通常モデルの定価は14,850円なので、手の込んだ特別仕様の割に差額は5,000円も取っていないということですね。
ベルトも含めて、落ち着いたアースカラーにHUFを象徴する鮮やかなライムグリーンをワンポイントで入れて締める感じなのかと思いきや、ベゼルはなぜか半透明。公式画像を初めて見た時点では、まるで複数のモデルのパーツを組み合わせてカスタムしたかのようなバラバラな印象も少し受けたのですが、実物を見てその不安は晴れました。不思議とうまく溶け込んでいて、独特な“ハズシ”のおしゃれ感が出ていると思います。
ナイロンベルト仕様はもっと増えて欲しい
さて、色々と語ってきましたが、何と言っても一番惹かれたのはこのナイロンベルト。G-SHOCK界隈では社外のカスタムパーツ(MOD)を使ってNATOベルトなどのナイロンベルトをなんとかして着けている人もそこそこ多く、ストリートブランドとのコラボモデルだということを考えると、おそらくそういうメーカー非公認のちょっとやんちゃなスタイルから着想を得ているんじゃないかと思うんですよね。
膨大な歴代モデルの中で今回が初出かどうかまでは正直調べ切れていないのですが、吊るしでこのスタイルを楽しめるモデルが貴重なことは間違いありません。純正品だけあって、厚手のしっかりしたベルトに崩れにくい補強入りの穴部分、ヒョロヒョロでもなければバリもない綺麗な金具など、さすがのクオリティです。
コア部分とベルトの接合部を見ると、まさに社外の勝手パーツで見覚えがありすぎる構造。公式に逆輸入されたような感じですが、表から見た時の形状が出所不明の謎パーツと違って単調ではなく、断然格好良いです。もうちょっと使い回しが効く色だったらコラボモデルを贅沢にも部品取りにしてカスタムに走ったかもしれませんが……このままで行きましょう、もったいないですし。
こういうカジュアルなナイロンベルトの時計、良いと思うんですよね。オシアナスのBRIEFINGコラボでも最近こんな感じのが出ていましたし。せっかくアダプターパーツの型を起こしたなら、HUFコラボ以外のG-SHOCKでもぜひまた活用して欲しいです。次はぜひ5600で(オリジン大好き人間)。