非ゲーマーによる普段使いの「G913 TKL」レビュー

デジモノ

先日、ロジクールのゲーミングキーボード「G913 TKL」を購入しました。メインターゲットからは外れた非ゲーマーによる評価なので、本来の用途で購入を検討されている方は他所のちゃんとしたレビュー記事を読んだ方が良いかと思いますが、もし同じように普段使いのキーボードとして気になっている方がいたら参考にしていただければ。

フルサイズ(テンキー付き)のG913は2019年8月発売、テンキーレスのG913 TKLは2020年6月発売ということで、2,3年前から販売されている製品です。お値段3万円前後のハイエンドゲーミングキーボードで、ユーザーからの評価も相応に高いようです。私が購入したモデルは白のテンキーレスで、キースイッチはタクタイルタイプ(茶軸)。というか、白のボディを選ぶとテンキー付きやキースイッチの選択肢がなく、これ一択になります。

そもそもゲームしないのになんで買ったの?

そもそもゲームをするわけでもないのに3万円もするゲーミングキーボードを買うこと自体が異常ではあると思うので経緯を説明しておくと、単純に自分が求めるフィーリングのキーボードがたまたまゲーミング製品だったからということに尽きます。

まず、日々それなりの文字数を打っているのでキーボードに3万円出すこと自体にはあまり抵抗がありません。実際、同じぐらいの値段のREALFORCEなどを使っていた時期もあります。ただ、世の高級キーボードの方向性と自分に合う使いやすいキーボードの方向性があまり合致していないもので、あまり立派なキーボードを買ってもそれに見合ったリターンを得られなかったんですよね。

具体的にはノートPC育ちで引っかかりのない盤上で指を滑らせるようなタイピングが染み付いているもので、おそらくキーボード表面の全体がフラットに近い方が合っているのだと思います。段ごとに高さや角度を変えたステップスカルプチャー構造とか、全体の傾斜が大きいキーボードだと私の場合はかえってタイムロスが出てしまいます。キーストローク自体は別に必ずしも浅めが良いというわけではなく(Macみたいな極端に浅いのは苦手)、上質な打鍵感もあったら嬉しい……という難儀な条件なので、ここ数年は「ThinkPad Bluetooth ワイヤレス・トラックポイント・キーボード」や新型の「ThinkPadトラックポイント キーボード II」に落ち着いていました。

G913 TKLを知ったのは昨年の春。インプットのために定期的に行っている家電量販店徘徊のなかでたまたま見かけて試し打ちをしたところ、「まったく縁のないジャンルだから眼中に無かったけど、実は自分の条件にすごく近いキーボードでは?」とピンと来ました。

そうは言っても本来はゲーミングキーボードですから、低遅延の独自ワイヤレスやRGBライトなどの日常利用には要らない機能もたくさんありますし、同じような作りでもうちょっと安いのがあればいいのにな~と購入には至りませんでした。なんて言っていたら、つい最近発売された「MX MECHANICAL」「MX MECHANICAL MINI」がまさにそんな感じの仕様で出てきましたね。

じゃあなんで結局MX MECHANICAL MINIじゃなくてG913 TKLを買ったのかって?

最近、推しの配信者さん(というかイラストレーターさん)がキーボードを買い替えたという話をしていて、それがG913 TKLの白だったからですね。元々欲しかった物を買うだけでおそろいアイテムになるなら一石二鳥じゃないですか?というわけで、1年以上ほしい物リストの奥底に眠らせていたのにあっさり負けて3万円払いました。

「G913 TKL」の外観をチェック

前置きがめちゃめちゃ長くなってしまいましたが、まずはG913 TKLの外観を見ていきましょう。

G913 / G913 TKLはブラックが基本ですが、TKL(テンキーレス)のタクタイル(茶軸)モデルだけホワイトを選べます。ホワイトといってもアルミ製の土台部分は銀色(無塗装)で、キートップなどが白色となります。

日本国内のLogicoolブランドで発売されているのはJIS配列のみなので、US配列が欲しい人は海外版の「Logitech G915」を。何気にJIS配列でもかな刻印なしでスッキリした見た目なのが嬉しいですね。

ゲーミングキーボードなので、もちろん(?)カラフルに光ります。消灯してしまっても良いのですが、せっかくあるものを使わないのももったいないので単色にして控えめに光らせています。その辺は「Logicool G HUB」というソフトを使って設定できます。

ゲーミングデバイスにあまり詳しくない人からすると、「そういうのって反応速度命だから当然有線でしょ?」と思っていたのですが、G913 / G913 TKLは無線モデルです。ワイヤレスでの接続方法は2通り用意されており、独自のUSBレシーバーを使う低遅延ワイヤレス「LIGHTSPEED」と汎用性の高いBluetoothを選べます。

一応有線でも使えますが、充電中の緊急手段のような扱いで設計されているため純粋な有線キーボードほど低遅延ではなく、むしろLIGHTSPEEDの方が速いぐらいだそう。そもそも有線で使うつもりの人にはG813という廉価版があるので、基本的にG913を選ぶ人はゲーマーと言えど無線で使うのでしょう。

ちなみに、充電端子はmicroUSB。ようやく身の回りの機器をUSB Type-Cに統一してケーブルを減らせたのに、また逆戻りか……とげんなりするところではありますが、まぁ最新の製品でもないのでこればかりは仕方ないかと。

キースイッチの設置面は、外から見える部分はほとんどアルミ板で覆われていてスタイリッシュ。カラーリングの影響もあるでしょうが、ゲーミングデバイスっぽい主張は控えめなので普段使いしやすいです。

最大の特徴だけどちょっと残念な音量ホイール

本体上部、F1~F12キーよりも上の枠外には、無線接続やバックライトの輝度調整、音楽や動画などの再生操作に使うメディアコントロールキーが用意されています。全画面表示中に邪魔になるWindowsキーとメニューキーをワンタッチでロックできるキーがあるのもゲーミングキーボードらしいですね。

そして、何と言っても外観で一番目を引くのは本体右上にあるおホイールでしょう。とても個性的で操作感も良いのですが、音量調整にしか使えないのがちょっと残念。こんな大きい専用ホイールを用意するほど、音量って頻繁に変えるもんですかね……?

マウスのスクロールホイールのように使えれば良いのになと思って色々調べてみましたが、公式・非公式のどちらでも変更方法は発見できず。なんだかもったいない気がしてしまいます。

角度調整は3段階。ほぼ完全に平らにできるのが珍しい

アルミ製なのはボディの前面のみで裏側は樹脂製なので、本体重量は810gとさほど重くはありません。中央付近のキーを強めに押してみてもたわむようなことはなく、これでも十分な剛性を確保できているのでしょう。

底面には上下3ヶ所ずつ棒状の滑り止めが貼られており、左右に角度調整のための折りたたみ式の脚があります。大小2種類の脚が重ねて搭載されており、非使用時と合わせて3段階の角度に調整できます。

大きいスタンドを展開した時の角度はこれぐらい。

小さいスタンドを展開した時の角度はこれぐらい。

スタンドを畳むとほぼ水平に寝かせられます。スタンドを出さなくても多少は角度が付いてしまうキーボードが多いなか、平べったいキーボード派の方には朗報かと。

キーボードには角度を付けた方が楽というのが常識のように語られていますが、そもそもキーボードに角度を付けたり階段状にしたりするのは手首の負担を減らすためや速く打てるようにするためなどではなく、大昔のタイプライター時代の構造上の理由だとか、キーの印字を見やすいようにしているだけで打鍵自体への効果はないとか諸説あります。個人的には全然要らなくてフラットな方が良い派です。

フラットなボディにロープロファイルスイッチ、薄型キートップという組み合わせのおかげで、ここまで低く平らな状態で使えます。アイソレーションキーが普及する以前の一昔前のノートPCのような位置感覚とキーストローク、だけど個々のキーの打鍵感はメカニカル。刺さる人にはとてもしっくり来ると思います。

独自ロープロファイルスイッチの打鍵感

G913 / G913 TKLは、一般的なメカニカルキーボードに使われるキースイッチよりも薄型のロープロファイルスイッチを採用しています。Logicool独自の「コンパクトGLメカニカルスイッチ」ということになっていますが、ロープロメカニカルではポピュラーなKailh製スイッチのカスタム品だと言われています。

先述の通り、G913 TKLのホワイトモデルで選べるのはタクタイル(茶軸)だけ。公式サイトの説明では「優しい打鍵感による適度な触覚フィードバック」と紹介されていますが、実際に使った印象としてはそこそこ重め・固めのハッキリした打ち心地なので、長時間快適に打てるような優しい打鍵感をイメージしない方が良いです。さすがゲーミングキーボードというべきか、戻りが速くスピーディーに打てるので筆が乗っているここぞという時には気持ち良く打てます。

「まぁ青軸じゃないしそんなにうるさくはないでしょ、へーきへーき」と騒音問題を考えずに買いましたが、そこそこうるさいです。スイッチの問題というよりはボディの反響とキートップのブレ(遊び)によるものだと思います。そこそこガチャガチャ鳴るので、他の人がいるところで使うにはちょっと迷惑かもしれません。

あえてMX MECHANICAL MINIでなくG913 TKLを選ぶ意味

(私の場合は外的要因でG913 TKLに決定しただけで)「MX MECHANICAL / MX MECHANICAL MINIが出た今となっては、通常の文字入力用途でわざわざG913 / G913 TKLを選ばなくてもいいんじゃない?」とも思っていましたが、細かく見ると非ゲーマーでもG913 TKLの方がいいなってところもまだ意外と残ってるんですよね。

フルフラットにできることを散々褒めてきましたが、MX MECHANICAL / MX MECHANICAL MINIは残念ながらスタンドを出さなくてもガッツリ角度が付きます。また、テンキーレスに限って言えば、MX MECHANICAL MINIの方が小さい代わりにカーソルキー周りの配置にクセがありますし、Enterキーのすぐ右隣に間を開けずに他のキーが来る邪悪な配列になってしまっています。それに、JISかな無し刻印でもありません(むしろちょっとダサいかなの入れ方をしている始末)。

ゲームしない人にもG913、ありだと思います。

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