【E-M1X】夜景撮影で多重露光を使って遊んでみる

カメラ

最近新しいカメラ(新しくはない)を買いました。オリンパス(発売当時)の「OM-D E-M1X」というカメラで、ぶっちゃけ商売としては盛大にコケた製品なので叩き売り状態なわけですが、腐ってもフラッグシップモデルなので性能・機能的には興味深い部分も多く、今から遊びで買うには実に良いオモチャです。

E-M1X_高感度テスト_01

道具には得意・不得意が当然あって、このカメラで言えば高速AFや高速連写、強力な手ぶれ補正などを活かした動体撮影こそが本領を発揮できるシチュエーションです。カメラ自体は大きくてもあくまでイメージセンサーは比較的小さなフォーサーズですし、もっと言えば裏面照射型CMOSセンサーでもありませんから、低照度・高感度や夜景撮影などはおそらく苦手分野でしょう。

他のカメラも持っているのでE-M1Xでわざわざ夜景を撮るつもりはまったくありませんでしたが、試してみたい機能があって持ち出してみました。

E-M1X_多重露出_01

E-M1X_多重露出_02

その機能とは「多重露出撮影」(多重露光)。この設定をONにして好きなように2枚の写真を撮るだけで、勝手に重ね合わせて1枚に合成してくれます。フィルム時代の技をデジタルカメラで再現したもので、オリンパスのカメラならOM-Dシリーズに限らずPENシリーズでもかなり前の機種から搭載されています。

どんな2枚を重ねるか、発想は自由。ここでは「ちゃんと撮った夜景の写真」と「マニュアルフォーカスでわざと玉ボケを作った写真」を重ねることで、普通の街明かりをドラマチックに強調する使い方をしています。初めて試す機能を使うのが楽しくてつい最大限に大きく玉ボケを作ってしまいましたが、もう少しボリュームを抑えても良かったかもしれません。

ちなみに、機能の使い方に少しクセというかコツがあって、こういう主題と副題(玉ボケ)がハッキリした多重露光をしたい場合は、RAW保存に設定した上で主題を先に撮れば副題はやり直しが効く仕様になっています。私はJPEG保存にしていた上に、何を思ったか玉ボケを先に撮ってから本題に入っていたので、無駄な縛りプレイをしていたようです。

E-M1X_多重露出_03

この日一番の自信作はこの写真。

玉ボケの色合いも華やかでバランス良く、単写で押さえたにしては電車の位置も絶妙。シャッタースピードが遅めで動きが残っているのも、多重露光のぼんやり感とマッチして良い雰囲気を出せているように思います。ただ2回シャッターを切るだけで、カメラ内完結で自動的にこんな凝ったことができてしまうのは良いですね。

センサーサイズが小さいマイクロフォーサーズの性質上、なかなか普通に夜景を撮ってもこういう表現はしづらいのですが、多重露光ならF4通しのズームレンズですらここまでやれます。なかなか楽しい機能ですよ。

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