有線イヤホン「final A4000」とUSB DAC「moondrop DAWN」を買った

デジモノ

音楽観賞用のイヤホン(わざわざそう書く理由は後ほど)を新調したくなり色々考えた結果、finalの「A4000」を購入しました。今使っているスマートフォンにはイヤホンジャックがないので、moondrop(水月雨)の「暁 – DAWN」というUSB DACもセットで導入。オーディオ機器のレビューなんてとても出来ないのですが(色々怖いからやりたくもない)、雑感をひっそりと綴っておきます。

「音楽をちゃんと聴くイヤホン」と「便利に使う完全ワイヤレスイヤホン」を分けようかな、という思いつき

今年に入ってから、イヤホンを使う時間のほとんどはfinalの完全ワイヤレス「ZE3000」を選んできました。1.5万円ほどの決して高級ではない機種にも関わらず、“ワイヤレスにしては”という下駄を履かせなくても十分評価できるぐらい、ちゃんとfinalらしい素直な音が出る良いイヤホンです。あ、夏に買ったmoondropの安い有線イヤホンはPC作業用として使っていますよ(マイク付きにしておけば良かった)。

それまでに使っていたWF-1000XM4やEAH-AZ70Wと比べれば、ZE3000はノイズキャンセリング機能もないし、あれこれと設定できるアプリもないしと「完全ワイヤレスイヤホンとしての使い勝手」では三流なのですが、それでも「そこそこ手頃な値段で純粋に良い音の完全ワイヤレスイヤホン」という存在を肯定できたのは、週5でフルに電車通勤のお供として使うような時代ではないおかげなのかもしれません。

何にせよ、かなり気に入って使っていたZE3000ですが、ここのところあまり調子が良くないんですよね。使い始めた頃から時々遭遇する事象ではありましたが、充電ケースに戻してもちゃんと電源が切れないことが多く、おかげで使いたい時に電池がなかったり、スマートフォンのスピーカーから音を出したい時に接続が切れていなくて邪魔されたりと微妙な感じに。

今冬登場予定の上位機種「ZE8000」の発売を待ってリプレースしようかとも当然考えました。しかしよく考えると、これ以上の価格帯に行くのであれば「良い音を求めて高価格帯のワイヤレスイヤホンを買う」のは割に合わない行為だな、とも思ったのです。ZE3000ぐらいならともかく、AK UW100とかFoKus PROみたいに4万も5万も払って音質全振りの完全ワイヤレスイヤホンを買ったって、結局バッテリーがヘタって2~3年しか持たないんですから……有線のちょっと良いイヤホンを買うよりもある意味ハードな道ですよね。

そこで利用スタイルを見つめ直してみると、「良い音のイヤホンでじっくり音楽を聴きたい時」は別に有線でも構わないな、と。BGM用途や動画視聴には完全ワイヤレスイヤホンを使うとしても、その時に使いたいワイヤレスイヤホンの最優先事項は必ずしも音質ではないはずです。

それなら、「好きな音の有線イヤホン」と「別の方向に特化した完全ワイヤレスイヤホン」で役割を分担させた方がいいんじゃないか?という思いつきで、「ちゃんと聴く時」用だけはあえて有線に回帰することにしました。もう片方のワイヤレス要員をどんなイヤホンにしたのかは、また別の機会に。

「final A4000」について

選んだ理由は単純で、finalのイヤホンの音、好きなんですよね。手の届く価格帯にも傑作機が多数ある良心的なメーカーですし(もちろん、高くて強いゴリゴリのやつもあるにはあるんですけど)。

有線回帰とは言ってもいまさらDAPや非圧縮音源を本格的に買い揃える気は毛頭ないので、スマートフォン+USB DAC+ストリーミング再生のカジュアルな使い方を想定し、1万円台中盤の「A3000」「A4000」の2機種を候補としました。

どちらも6mm径のダイナミック型ドライバー「f-CORE DU」を搭載し基本設計を共有する兄弟機で、チューニングのニュアンスの違いでしかないので、正直ネットであれこれ見聞きしても実感は得られないでしょうしあまり意味がないと思います。もしこの二択で考えるならちゃんと自分で聴いて決めてください。

A4000を開封。イヤホン本体とキャリーケース、イヤーピース(5サイズ)、イヤーフック、保証書が入っています。

丁寧にケースに収められた付属イヤーピースは、単品売りでも評判の良いfinal TYPE E。私も他社イヤホンでもたくさん使ってきた……というより、finalにハマった入口はイヤーピースからでした。一般的な3サイズではなく5サイズも付属しているので、しっかり試して自分に合うサイズを選びましょう。

シリコン製の丸いキャリーケースは愛嬌のあるフォルムでサラサラした手触りも良く、カラビナか何かを通しておけるようなループもあってなかなか凝った作り。イヤーピースもそうですが、1万円台のイヤホンの付属品としてはやりすぎなぐらいです。

ただ、裏フタが凹んだ形状のため、丁寧にケーブルを巻かないとスッキリ閉じないのはちょっと不便かも。この凹みがなければUSB DACも一緒に入れられそうなのですが……

ケーブルはさすがに安さを感じます。音的にダメということはありませんが、見た目がやっぱりね……3.5mmアンバランスですし、さっさと別売りのシルバーコート4.4mmバランスケーブルに交換しろというお告げなのかも。イヤホン本体より高くなっちゃいますけどね。

ハウジングは樹脂製で、上位機種のA8000やBシリーズ、ZE3000/ZE2000にも似た多面体デザイン。ちなみに、A4000はダークブルー、A3000はマットブラックの色違いなので一応ここで見分けが付きます(ただの色違いだと思って買っちゃダメだよ!)。

角張っているのは表面だけなので、見かけほど装着感は悪くありません。耳からの張り出しも少ないですが、大きいのでさすがに寝ホンは無理かな。地味な色で余計なロゴもなく、さり気なく使えるのは美点ですね。

A3000とA4000のどちらを選ぶべきかは各人の好みやよく聴く曲のジャンルによるところが大きいので「自分で聴いて考えろ」という一言に尽きるのですが(突き放しているわけではなく、むしろ他人の感覚を鵜呑みにしてお金を無駄にして欲しくないという優しさです)、聴き比べた感想を少しだけ書いておくと、A3000の方が穏やかでA4000の方がきらびやか(少し派手)な印象。違う言い方をすれば、A3000はインスト向き、A4000はボーカル向き、とも言えると思います。

この2機種だけで見れば万人受けするバランスの良い音はA3000だと思いますが、バランス重視ならそもそもEシリーズの方が向いていて、Aシリーズな時点で基本的にキラキラした高音寄りなんですよね。であれば、どうせならAシリーズらしい音のA4000にしてみようかなと思った次第です。

「moondrop DAWN」について

USB DACも色々ありますが、本命のPEE51(Astell&Kern)は生産終了してしまい、後継機のAK HC2は4.4mm5極バランス端子オンリーというストイックな仕様。私が有線イヤホンをいつもカバンに入れている理由のひとつに「ゲーセンで音ゲーをやる」というのがあって、バランス接続が良いのは分かっていても汎用性の問題から安易にそちらには走れないのです。

安牌を選べなくなった以上は、どうせならみんな買わない変なのを買おうという邪念が入り(?)、moondrop DAWN(水月雨 暁)を選んでみました。ちなみにこれも4.4mmバランス仕様の方がどちらかといえばメジャーで、3.5mmアンバランス仕様となるとますます誰も買っていないかも。

finalも好きですが、moondropも結構好きなブランドなんですよ。ここもクリアな音の製品が多く、低価格帯~中価格帯で粒ぞろいの良作を連発しています。すごい雑な言い方をすれば、いろんな意味で「中国版final」みたいな存在だと思っています。

同じDAWNでも4.4mmバランス版は円筒状、3.5mmアンバランス版は少し小ぶりな四角柱で見た目は別物です。ケーブルとUSBコネクタは透明で中身が見えますが、価格的にわざわざスケスケにして見せるほど美しい仕上がりの中身ではないので普通でいいのにな……(って、Quarksのレビューでも似たようなことを書いていましたね)。

USB Type-CなのでAndroidスマートフォンやノートPCなどにそのまま繋いで使えます。DACチップはCirrus Logicの「CS43131」が2基搭載されています。moondropのイヤホンの音に合わせて作ってるとすればたぶん素直な出音でしょ、という予想だけで買いましたが悪くない感じ。

一応、設定アプリもあります(Androidのみ)。やたら簡素な作りで笑ってしまいましたが、NOS(Non Over Sampling)モードがあるのはえらい。他の設定項目もゲイン調整や邪魔になりがちなLEDランプの消灯など、最低限やりたいことはできるという感じです。実売1万円ぐらいですしアリなんじゃないでしょうか。

関連記事

TOP