最近、オンライン会議やちょっとした録音に使う程度の安めのマイクを買いました。レビュー記事は書かない予定ですが(サンプルとか録るのめんどくさいし……)、ほどよい物を見繕った過程ぐらいは書き残しておこうかと思います。
昔はSONYのアレが定番だったけど……
軽く前提を説明しておくと、そんなにガチのマイクが必要なわけではないのでオーディオインターフェースなどを挟む予定はなく、USB運用のつもり。ぶっちゃけ単に配置の関係でPCの内蔵マイクで音を拾いにくく、取り回しの都合で専用マイクを置くついでに多少は音も良くなったらうれしいな、ぐらいの温度感です。
10年ぐらい前にも似たようなレベルのマイクを検討したことがあり(当時は主にSkypeで使っていました)、その時はソニーのECM-PCV80Uを購入しました。今でも売られているロングセラー商品で、エントリークラスでは定番のマイクです。
それなら同じ物を買い直せばいいかな?と思ったのですが、最近のクチコミを色々見ていくと必ずしも「これを買っておけば間違いない」とは言えなさそうな雰囲気。古い情報を丸コピした量産型エアプおすすめ記事のせいでダラダラと売れ続けているだけで、今となってはそんなにコスパ良くもないっぽいんですよ。
単体で見れば製品自体の質が下がったわけではないにしても、流れの速いPC周辺機器の世界で10年以上前から変わっていない製品である以上、周りが良くなって相対的なクオリティは下がっているでしょうし、最大の問題は古い製品なのに昔よりもむしろ高くなっていることです。出始めの頃は実売3,000円ぐらいだったのに、今は安い店を探しても4,000円切るかどうかですからね。
エントリークラスの有力候補3製品
じゃあ2022年の今、エントリークラスのマイクを買うとしたら何がいいのよ?ということでリサーチしてみると、この3製品が候補に上がってきました。
SONY ECM-PCV80U
古い物だし値段も上がってコスパが悪化しているとは言っても、未だに有力候補の一角ではあります。誰もが知っているSONYブランド、家電量販店などでも買える入手性の良さ、USB Audio Boxやスタンドも付いていてすぐに使い始められる手軽なパッケージングなど、決して悪くはないのです。音質面での評判はホワイトノイズなど含めあまり良くありません。4,000円ぐらい。
marantz Professional M4U
老舗音響機器メーカーのエントリーマイク。少し調べるとマランツではなく888Mというブランド名も出てきますが、それはAmazon専売の廉価商品のみで名乗っているブランドのようで、物としてはちゃんとマランツです。パッケージングはかなりECM-PCV80Uを意識したセット内容になっている上、音も多少こちらの方が評判高め。3,000円ぐらい。
FIFINE K669B
中華系のブランドで、一時期は最安2,000円程度で買えたこともあり、エントリークラスのコンデンサーマイクとしてはトップクラスのコスパを誇っていた模様。変換ボックスを介さず直接USBで出力する方式。設置環境(周辺の音)を選ぶ繊細さはあるものの、高音質であることが好評の理由です。一応ヨドバシカメラなどでも扱われていますが、かなり割高になるので基本的にはネット通販で。Amazonなら4,000円ぐらい。
結論:マランツ(888M)のM4Uを買った!
上記の3製品を検討し、結論としてはマランツ(888M)のM4Uを買うことにしました。全体的に値上がり傾向にあるなか、今でも3,000円で買えてちゃんと使えるマイクとなると実質これしかありませんでしたね。ちなみに、購入時の価格は2,799円でした。
間違いなく「ECM-PCV80Uキラー」として作られたんだろうな、という感じのパッケージング。そこそこ使えるコンデンサーマイクにUSB変換ボックスとマイクスタンドまで付いてすぐに使えるセット内容で約3,000円と、まさに安かった頃のECM-PCV80Uに近い存在です。
候補に挙げた3製品すべてに言えることですが、スタンドは「あるだけマシ」程度で基本的にはマイクアーム推奨。って口を揃えて言われていますけど、ぶっちゃけ邪魔だしそこまでお金をかけたくない人も多いでしょう(私もです)。性質上けっこう近くで話す必要があるので、PCゲームの実況などで手元の卓上スペースをマイクに使えない場合は浮かせるしかないと思いますが、置けるなら全然これでいいと思いますよ。
マイク自体はXLR接続で、付属の変換ボックス(A/Dコンバーター)を経由してUSBでPCに繋ぐという使い方はECM-PCV80Uと同じ。
ただし、「XLR接続だから将来的にオーディオインターフェースを買っても繋ぎ変えて使えるでしょ?」というのは微妙な問題。もちろん使えるケースもあるのですが、このM4UもECM-PCV80Uも普通のファンタム電源のマイクとはちょっと違う仕様で、基本的には付属の変換ボックスと一体で考えられた実質USBマイクだと思っておいた方が良いです。
外装はすべて金属製で値段からは想像できないほどしっかりしていて、安くてもちゃんとマランツの製品らしい高級感があります。これならマイクアームでデスクの目立つ位置に持ってきても見栄えは悪くないでしょう。
総じて値段の割には音質は良い方だと思いますが、あえて挙げるなら音がこもり気味(低音が強い?)、出力レベルが小さいなどの弱点もあり、後加工またはリアルタイムの補正ができない素通しの利用環境だと思った結果にならないかもしれませんね。
単一指向性で基本的には環境音は拾いにくいですが、感度が良い分リップノイズなどは拾いやすいので、ポップガードを付けるか配置を工夫した方が良さそうです(口の真正面に向けすぎず少し下を狙うなど)。発声や設置環境によるものでなくマイク自体に起因するノイズはとても少ないです。安くてもちゃんと使える、素性の良い製品でした。