ほぼ音声待受用に維持費の安いpovo2.0回線を持っているのですが、そのほぼ寝かせに近い回線を持って出たいけれど1台でデータ通信も済ませたいという場面も時折あり、「どうせたまにはトッピング買わないと回線無効にされちゃうしちょうどいいか」と不定期にデータトッピングを買っています。
それ自体は回線維持のためにある程度必要な行為ではあるのですが、別にデータ容量をたくさん余らせているテスト用のMVNO回線もあり、デュアルSIMだったら適宜差し替えて1台で済ませられるのになー、と。
しかし最近は大して便利でもないeSIMがもてはやされる影で、物理デュアルSIMから物理SIM+eSIMの組み合わせに鞍替えするメーカーも出てきているもんで、デュアルSIMありきだと端末選びにだいぶ制約がかかってしまうんですよね。仕方ないので、ほぼ番号維持のpovo2.0回線は物理SIMからeSIMに切り替えてよく使う端末に入れておくことにしました。
povoといえばオンライン手続きオンリーの簡易なサービスなのでこういう手続きはサクッと済ませられそうなものですが、実はeSIM周りの手続きは鬼門。eSIMなんていつでも手軽にセルフサービスでコードを出せないと扱いづらくて仕方ないのに、なんと有人対応のチャットサポートを必ず経由しなくてはなりません。


povo2.0アプリのヘルプページからチャット画面に進み、オペレーターにeSIM再発行希望の旨を伝えれば良いのですが、そこまでの動線からすでに不便。というのも、ヘルプ画面ではお困りの項目を聞いてくるので内容を選ばないと先に進めないのですが、「この内容ならチャットサポートですね」となった時にはそこまでポチポチ選んだ内容が反映されるわけでもなく、チャット開始画面で長いドロップダウンメニューから再び用件を選ぶはめになります。謎の二度手間。
チャット対応の内容はここには転載しませんが、要約すると「eSIM発行してください」「本人確認のために免許証と顔を同時に撮ってください」「はい(写真送信)」「確認できました。後ほどメールで再発行の手順をお伝えします」というだけ。
えっ、こんなeKYCでやればいいようなことを有人でやってるんですか?新規契約はちゃんとeKYC入れてるのに?
今でこそチャットサポートにすぐつながるようになっているので(営業時間の縛りを除けば)マシなものですが、サービス開始当初は応対開始まで何時間も待たされている人も珍しくありませんでした。こんないくらでも他にやりようがありそうな手続きまで有人にするからパンクするんじゃないの、とげんなり……オンライン専用でサービスコストを省いているから安く提供できるって理屈のプランじゃないんですか?()


無駄すぎる有人本人確認をパスした後、しばらくすると契約メールアドレスあてにSIM再発行のご案内が届くのですが、これがまぁ遅い。今回は約1時間かかりました。
おかげさまで昼休み中にポチポチと手続きをしていた間には終わらず、仕事が終わってから「さて、メールも届いたしeSIM発行するか」と思ったらまさかの受付時間外。どこを取ってもオンライン手続きの利便性とは一体なんなのか考えさせられる仕様です。


翌日、気を取り直してeSIMの有効化作業をしました。メールで案内がきたのでそこを起点に進めていくものかと思いきや、これまた微妙な感じ。
一旦povo2.0アプリを開いて「契約管理」からeSIM設定用のQRコードを取得して、これをeSIMを使いたい端末の設定アプリで読み取るわけですが……えぇ?何を考えてこんな実装にしてるんだろう。
スマホで読み取らないといけないQRコードをスマホで確認させる時点で普通はアウトですし、仮に2台あってもpovoの契約者向けアプリなんてpovoのSIMを使うスマホにしか入れてないですよ。結局、手動入力するか他の端末にスクショを送ってQRコードを読むぐらいしかできません。
とにかく、povo2.0のeSIM再発行手続きは全体的に酷い出来で、不評なのも納得でした。回線の乗っ取りなどのリスクを避けるためにeSIMの発行手続きを厳格化しているという建前には異論はありませんが、いやいやどう見てもお宅のシステムが整ってないからオートマチックにできていないだけですよね?とツッコミどころ満載。
セキュリティを言い訳にサービス設計の甘さをユーザーの時間を奪う形で転嫁するのはやめてほしいですし、この程度の基本的な手続きでいちいち人間が出てくるのはオンライン専用プランのビジネスモデルを考えても不健全な状態です。いろんな意味でさっさとどうにかしてほしいですね。