「ミステリーランチ アーバンアサルト24」レビュー:機能性は高いけど人を選ぶかも

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2~3週間前に新しいリュックを買いました。ミステリーランチというブランドの「アーバンアサルト24」というモデルです。しばらく使ってみた感想としては、高機能ではあるのですが結構人を選ぶかも、という印象。もしかしたら検討中の方の目に留まるかもしれませんし、たまには役に立つことを書くかということで(?)長所・短所をまとめておきます。

アーバンアサルト24を買った理由

ミステリーランチは米軍の特殊部隊などにも採用されるようなバックパックを作っていて、ミリタリーテイストを好む方から機能性重視のアウトドア派まで、一度使ったら手放せないという熱心なファンも多いブランドです。

ブランドの生い立ちからして基本的にはゴツめの商品が多いわけですが、タウンユース向けのモデルも用意されており、この「アーバンアサルト」は定番の人気モデルのひとつ。知人が使っているのを見て、Y字に開く独特の構造が気になって詳しく聞いてみたら使い勝手の良さを布教され、物は試しと私も買ってみた……という成り行きです。

アーバンアサルトシリーズのラインナップ

同じアーバンアサルトでも容量18L/21L/24Lの3サイズがあり、その知人が言うには「買うなら絶対24Lがオススメ」とのこと。後から自分でも調べてみると、これは大正解で納得の行く話でした。

というのも、単に同形状で縮小・拡大されているわけではなく、最大の24LモデルだけPCコンパートメントが独立していたり、サイドポケットがあったりと機能性が別物なのです。容量的にも、独特の形状の兼ね合いで数値からイメージするほどの荷物は詰め込めない場合があるので大きめを選ぶのが無難ですし、「とりあえず24」で良いと思います。

アーバンアサルト24の良い点

独特の「Yジッパー」でどこに入れた物にもすぐアクセスできる

まず、なんと言っても最大の特徴である「Yジッパー」について語らないわけにはいきません。前面から3方向に伸びたジッパーを開くと、メインコンパートメントをガバッと広く開けられます。どんなにたくさんの荷物を詰め込んでいても、奥の方の荷物を取り出すのに苦労することはないのです。

もちろん毎回全開放する必要はなく、Y字の上2本だけを開ければ上フタを小さく開けられるので、バッグを平らに置けるスペースがなかったり、立ったまま荷物を取り出したい時にも問題なくアクセスできます。

小物をたくさん入れるには最強

開口部が広く中身の確認や出し入れがしやすいことに加え、気の利いた細かな区分けがされていて荷物を整理しやすい作りになっています。特に小物をたくさん入れるのは得意で、細々とした持ち物が増えがちなガジェット好きとは相性が良さそう。

メインコンパートメントの中にあるものだけでも、タブレット端末が入りそうな薄型の大きいポケット、貴重品入れに良さそうなジッパー付きの平らなポケット、ペン入れ×2、スマートフォンが入るサイズのポケット×2、こぶし大のジッパー付きメッシュポケット×2、ボトルホルダー×2(Y字部分の内側にあるんです)と、多数の収納スペースがあります。私の場合、このリュックを使う時はガジェットポーチの類を使わず、直にモバイルバッテリーやケーブル、ワイヤレスイヤホン、ボールペン、レンズペンなどの携行品一式を入れておく定位置を作れました。

そして、24Lモデルのみに備わる独立PCコンパートメントも便利。背中側に面したこの空間は、実はノートPCしか入らないというわけでもありません。仕切りが入っていて3つに分かれているので、書類なども曲げずに収納できます。上の写真では、13インチノートPCとB5変型判の書籍を数冊入れてみました。

軍用譲りの構造で重さの割には楽

アーバンアサルト24はこの容量のタウンユースのリュックとしては重めです。軍用譲りの堅牢な作りのため、空荷で1.2kgもあります。荷物を手に持つ場面ではどうしても重さを感じることにはなりますが、そこは重い荷物を背負って行軍するような装備のノウハウが活かされていますから、背負っている間はまったく負担に感じません。

背当てにプラスチック?の硬いプレートが入っていて型崩れを防ぎつつ負荷が分散されていたり、チェストハーネスがあったり、ロードリフター付きのストラップになっていたりと、24L程度にはオーバースペックでは?というぐらいの機能があり、背負ったまま歩き続ける分にはとっても快適。ちょっと含みを持たせている理由は後半で。

アーバンアサルト24のイマイチな点

とっさに荷物を出せずモタつきがち

さて、ここからはデメリットの話に移ります。まず、これを言っては元も子もないのですが、「そもそもYジッパーって本当に便利か?」という問題。いや、便利なのは便利なんですよ。ただ、ちょっと小回りが利かない面もあるなと。

重い止水ジッパーを最低2本は開けないと物を出し入れできないので、結局両手を使うことになりがちです。コンビニなどで買った物をサッとバッグに入れたい時とかはちょっとストレス。一応、上フタについている収納だけはメインコンパートメント側からではなく外からアクセスできるので、とっさに出す必要がある物(入館証とか)はそちらに入れておけばある程度対処できます。

……まぁ、これぐらいジッパーが重くないとこの形状は(日本国内ならまだしも)治安の悪いところだと危なすぎるでしょうけどね!防犯面で言えば、Y字の3本のうち最もとっさに開けられやすい(力をかけやすい)と思われる下側のIの部分のジッパーは内側に折り込まれた部分に隠せます。残り2本を斜め上に向かって開けたうえで手を突っ込んで荷物を取るのは瞬時には難しいでしょうから、よほど油断しすぎなければそこまで大きな盗難リスクはないかと。

何かと置き場所に困る

これもまたメリットと表裏一体なのですが、バックプレートやロードリフトストラップが入ったガチガチの作りと自立しない形状が災いして、置き場所に困る場面も多々あります(※底にマチはあるもののバックプレートの方が下に来る配置で、マチを目いっぱい広げても底面は斜めになります)。ポンと床に置くことが難しいのはもちろん、壁に寄りかからせて置くのも床が滑らかだと厳しいぐらい本当に立ちません。平らに置くか、荷物カゴに入れるか、足の間に挟んでおくかになりますね。

置き場所とは少し違いますが、電車での取り回しもけっこう困るところ。型崩れしない作りでボリュームがあるので、少し混んだ車内で前に持ってきたり、あるいは座れた時に膝上に置いたりするとだいぶ圧迫感があります。「背負って歩く」だけならすごい楽なんですが、実生活においてそう都合良く背負い続けられるわけでもなく、弱点が目立つ場面もありがちです。

大きいようで意外と入らない

小物の整理にリソースを割いていることや底が狭い独特の形状などから、同容量の普通の形のバックパックよりは入らないと思っておいた方が良さそうです。型崩れしない作りなのであまり無理は効かず、入らない大きさ・形の荷物はきっぱり諦めるしかないため、突発的な買い物などには要注意。

まとめ

余談:内側のボトルホルダーをレンズホルダーとして活用。カメラバッグ的な使い方もいけます

結論としては、機能性も高く堅牢な素晴らしい製品であること自体は疑いようがありませんが、「ストリートで使える」「都会的な」とは言いつつもあくまでヘビーデューティーな製品の文脈を汲んだものであり、作り手の考えるタウンユースと極東の狭い島国の都市生活者が思うタウンユースには相当なギャップがあると思われます。

日本の「都会」でストレスなく使うには、少なくとも混雑する時間帯には電車を利用しないライフスタイルであることが前提と言え、さらに言えば家と会社の往復のような2拠点間の移動が大半で「背負いっぱなし」にできる(行動中にあまり物を出し入れしない&第三の地点で荷物をおろすことがない)ことも合う・合わないの判断ポイントとしては重要かと。それか、都会向けとは言いつつ都会すぎない車社会での運用だとネガをほぼ打ち消せるんじゃないかとも思います。

良いバックパックではありますが得手不得手がはっきりしていて、決して安くはない買い物ですから熟考して……できれば購入前に実物を一度は見ておくのが吉。幸い、少なくともブランド自体の取扱店舗は全国に点在しているようなのでご参考までに(外部リンク:公式サイトの店舗検索ページ)。

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