2022年のカメラ・レンズ購入履歴を振り返って反省する

カメラ

2022年も残すところあとわずか。基本的に何か新しい物を買った時にしか更新されない傾向がある本ブログですが、たまにはこれまでのお買い物を振り返ってみましょう。

とは言っても、すべておさらいするとキリがないので、今回は撮影機材の変遷に絞ってご紹介します(裏を返せば、カメラ関係の買い物だけでも1本書けてしまうぐらい……ということです)。

カメラ4台&レンズ8本購入→Xシリーズに出戻り一本化

先に結果発表をしておくと、2022年に購入したカメラは4台、レンズは8本でした。すべて同時に所有していた時期はないものの、道理で金がないわけだと納得。

決して手当たり次第にその場の思いつきで買っていたわけでもありませんし、皆様が思っているよりはどの機材もちゃんと使っていてそれぞれの役目を与えられてはいました。ただ、総括するとやや迷いが見えたというか、しっくり来る構成に落ち着くまで試行錯誤を続けた1年でしたね。

ピーク時にはレンズ交換式カメラ2台(しかも別マウント)とコンデジというめちゃくちゃなことになっていましたが、最終的には富士フイルムXシリーズへの出戻りという形で一本化の目処が立ちました。

用途と好みに合う素晴らしいカメラが出てきてくれたおかげで、3台それぞれでやっていたこと(ちゃんとした撮影からスナップ、あまり撮る予定がない日のお散歩用装備まで)のどれを取っても1台で対応できそう。なんとか年内に答えが出て、来年は散財せずに済みそうなのが救いです。

2022年に購入したカメラ・レンズ一覧は以下のとおり。のちほどシステムごとに順を追って説明していきます。

・Z fc
・NIKKOR Z DX 18-140mm F3.5-6.3 VR
・NIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition)
・NIKKOR Z 40mm f/2
・NOKTON D35mm F1.2
・NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR
・OM-D E-M1X
・M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
・X-T5
・XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS
・XF33mmF1.4 R LM WR
・GR IIIx

Z fcと28mmは2021年中に確保して積んであったのですが、ズームレンズを入手して運用開始したのは年始なので、ここでは今年の機材としてカウントさせてください。

2022年中に使っていたカメラシステムはご覧の通りニコンZ(DX)、マイクロフォーサーズ、富士フイルムXですが、何を通ってきた上でどう考えているかの前提として、自己紹介的に過去の使用歴も出してみましょうか。

2021年以前に持っていたものを含めると、ソニーE(APS-C / フルサイズ)、ニコンF(DX)、ニコンZ(FX / DX)、富士フイルムX、マイクロフォーサーズ(パナ / オリ)、Lマウント(パナ)……カメラ歴は来年で9年のはずなので、年1回ぐらいはマウント移行(あるいは同一マウントのフォーマット変更)をしている計算になり落ち着きがないですね。

2022年に買った機材:ニコンZ編

Z fc

撮影枚数的にも所有期間的にも今年一番使ったカメラです。でも別に「これは良いカメラだ」と惚れ込んで使っていたわけでもなく、どちらかといえば腐れ縁に近い惰性で使い続けたカメラでした。

前のカメラ(Z 6II)をトラブルで失って「次もZかな~。でも写りは大好きなんだけどボディがどれもダサすぎるし、そもそも同じ物を買い直すのは癪だよな~」と思っていたところにたまたまグッドルッキングなカメラが現れたので「とりあえずこれでいいや」と適当に買い、他にピンと来る本命のカメラが現れなかったのでなんやかんや1年近くメインを張り続けることになってしまいました。

商業的には崖っぷちだったニコンのカメラ事業を救った立役者かもしれませんが(ある意味Z 9と同列?)、しょせん数年前のエントリー機(Z 50)をお色直ししただけのカメラなので中身は……。刺さる人には刺さるモードダイヤルレスの珍しい操作体系を除けば、取り立てて褒めるところはないわけです。

そうは言いつつも、時に性能の限界を感じる場面はあれど、なんだかんだちゃんと撮れていたのも事実。このクラスのカメラをじっくり使うのは本当にエントリー層だった頃以来でしたから、逆説的に「この程度のカメラでもこれぐらいは撮れるぜ」という技量向上の実感や自信には繋がったと思います。

NIKKOR Z DX 18-140mm F3.5-6.3 VR

実用シーンにおけるZ fcのメインレンズとして、オンオフ問わず活躍してくれた一本。ZマウントのAPS-C用レンズの選択肢があまりにも少ないが故に、普段なら絶対に避ける高倍率ズームなんぞを消去法で選ぶ羽目になった……というこれまた後ろ向きな買い物でしたが、使ってみると想像よりもはるかに良いレンズでした。

利便性のために画質を犠牲にしている印象も少なく、高倍率ズームなのに最短撮影距離が短めで物撮りまで普通にこなせてしまうオールラウンダーです。明るさやボケを求めなければこれ1本で満足して終わってしまう人もいそう。

NIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition)

順番が前後しますが、これはZ fcのキットレンズとして入手。NIKKOR Z 28mm f/2.8(こう見えてフルサイズ対応)をベースに、Z fc本体と統一感の出るクラシックなデザインにしたレンズです。

まず写りに関しては、何の面白みもない無難でつまらないレンズだなというのが率直な感想。まぁ単焦点デビューにちょうどいい価格帯の入門レンズですから、上を見てきてからとやかく言うもんでもないでしょう。クセもなく使いやすいとは思います。

そして、Special Editionの存在価値であるはずのデザインですが、見れば見るほどうーん?と違和感が出てくるんですよね。往年のレンズデザインのうわべだけをなぞったプラスチック外装の質感の低さには目をつぶるとしても、最大の違和感はサイズにあります。最新の大口径マウントであるZマウントの直径でそのまま伸びているので、単体で見てもボディとの対比でも「君なんか違わない?」と……

結局、いろんな意味で写欲を削がれるのでキットレンズなのに早々に売り払ってしまいました。

NIKKOR Z 40mm f/2

Zマウントのロードマップ上でいえば28mm f/2.8と40mm f/2は同じ並びにあり、同じく小型軽量でお値段も手頃な単焦点シリーズの画角違いということになります。

28mmを「つまらないレンズ」と一蹴しておいて同シリーズの40mmも買った理由は、単純に換算50mm近辺から少し中望遠寄りぐらいが自分のスナップ撮影における得意な間合いだということもありますし、当時はとても品薄のレンズだったのでしたから「少し遊んでみて合わなかったらどうせ誰か引き取ってくれるし損はしないだろ」という下心もあり、たまたま運良く買えたタイミングでひとまず買ってみました。

結果はやはり、28mmよりはこちらの方が断然楽しめました。フルサイズ対応レンズをAPS-C機で使っている(イメージサークルに余裕がある)からというのももちろんあるでしょうが、最新の撒き餌レンズってこんなによく写るのか!と新鮮な驚きがありました。

NOKTON D35mm F1.2

Z fcというのは似合うレンズがありそうでない難儀なカメラでして、現代的なZマウントレンズがあまり似合わないのはもちろん、先述のSpecial Editionもおもちゃみたいでイマイチ。それならマウントアダプターで本物のオールドレンズを着けてしまえば良いかというと、今度はZマウントの口径が極端に大きいのでマウントアダプターのデザインにまで注意を払わないとこれもまた格好悪いのです。

その点「NOKTON D35mm F1.2」「NOKTON D23mm F1.2 Aspherical」の2本はデザインもサイズ感も素晴らしく、Z fcを最も輝かせるレンズだと思っています。もちろんコシナのMFレンズですから操作感も見事。この35mmに関しては、いわば「新品で買えるオールドレンズ」とでも形容したくなる描写傾向も持ち合わせており、外観から操作感、そして撮れる写真に至るまで、Z fcを“本物”にグレードアップしてくれるベストパートナーです。

NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR

Z fcやZ 50のキットレンズとしても採用されている、ごくありふれたエントリークラスの沈胴式ズームレンズです。

なんでこんなものをわざわざ単品で買ったのかというと、真夏に軽装用のパンケーキレンズが欲しくなったから。繰り返しになりますがZマウントのAPS-C(DX)レンズのラインナップは貧弱なので、まだちょうど良い選択肢が存在しないため「これってパンケーキみたいなもんだし、これでいいんじゃね?」とひとまず買ってみました。意外と撮れるな、とは思いましたが……まぁ、案の定ほとんど使いませんでしたね。

2022年に買った機材:マイクロフォーサーズ編

OM-D E-M1X

「買う理由が値段なら買うな、買わない理由が値段なら買え」って名言、バカの一つ覚えで一生もてはやされてますけど大嫌いなんですよね。

そんなん、ろくに物を見る目がないアホが値段“だけ”に浮かされると怪我するってだけの話でしかなくて、まともな判断能力と知識を持ち合わせた人が熟考した結果「この値段なら行って損はない」という判断になることはざらにあるわけで。それを目撃したバカが「買う理由が~」って他人の褌で相撲を取れるの、最悪じゃないですか?名言botみたいな薄っぺらいコミュニケーションしか取れないバカはs(以下略)

何が言いたいかって?このE-M1Xというカメラは発売当時の40万円近い定価に見合ったものではまっっったくないけれど、10万円を切るほどにまで落ちた今の中古相場なら手を出しても損はないし、めちゃめちゃ使えるってことですよ。

バカでかいカメラなので1台持ちにはしんどいかもしれませんが、2台目以降なら良い買い物になるかと。「メインで使っているシステムの望遠レンズを1本買う予算で、E-M1Xとマイクロフォーサーズの望遠レンズを買う」みたいな戦略もアリだと思います。

M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO

数年前にもサブ機としてマイクロフォーサーズを使っていた時期があって、その頃からずっと気になっていたレンズだったんですよね。当時はパナソニック側のボディ・レンズを中心にシステムを組んでいましたし、マイクロフォーサーズのレンズとしてはそこそこ値が張る方なので手を出さなかったのですが、いまさら買ってみてとんでもないレンズだなと衝撃を受けました。

換算24-200mm相当という高倍率ズームでありながらF4通し、それも画質を追求した高性能レンズのみに冠される「M.ZUIKO PRO」扱いという死角のない1本。超広角や超望遠をやらないなら、とりあえずこれを買っておけば完結してしまうと思います(ボケを求めるならそもそもマイクロフォーサーズじゃないでしょうし)。

2022年に買った機材:富士フイルムX編

X-T5

以前は富士フイルムのカメラを気に入って愛用していた時期もあったのですが、ここ数年のモデルはどうも琴線に触れるものがなく、「なんだか迷走気味だな」と距離を置いていました。

しかし、今秋のX-T5の発表には思わず沸き立ちました。小型・軽量・高画質、そして写真を最優先に設計したという原点回帰を謳った製品で、これは再びマウント移行をしてでも買わずにはいられないなと……レビューは追々書きますが、期待を裏切らない良いカメラですよ。

XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS

X-T5買うぞ!と言いつつ舐めプで予約をしていなかったもので、このレンズがついてくるレンズキットでないとすぐに入手できませんでした。どうせ実用上の理由で1本はズームレンズを持っておく必要があるので、仕方ないから買ってやるよと受け入れることに。

なぜ渋々かと言えば、このレンズは解像力の面でX-T5やX-H2の新型40MPセンサーにフル対応できるレンズリストからは外されているのに、なぜか抱き合わせで売りつけられるという理解不能なレンズキットだからです。

とはいえ、元々解像力よりはXF単焦点レンズに通じるような味のある写りに魅力のある不思議なズームレンズですし、使ってみると案外悪い気はしません。「40MPセンサーのポテンシャルをXF18-55mmで引き出すことはできない」というのは一旦置いといて、見方を変えれば「XF18-55mmらしい画は40MP機でも変わらず記録できるし、レンズの魅力は色あせない」という感じですかね。

XF33mmF1.4 R LM WR

高画素機対応の新世代レンズもちゃんと買いました。これは文句なしに良いレンズですね。

Xマウント最初期のレンズでありながら今でも人気のある「XF35mmF1.4 R」の後継という位置付けではあるものの、方向性としては別物。これまでのXシリーズの大口径単焦点はどちらかといえばボケ味や写りの質・雰囲気に重きを置いたものが多かったのですが、これは開放から高い性能を発揮する極めて現代的な大口径単焦点レンズです。

言ってみれば、ニコンZ、キヤノンRF、LUMIX S(Lマウント)などの比較的新しいフルサイズミラーレスシステムに必ず1本は用意されている「被写界深度をコントロールする以外の目的で絞る必要がない」と言われるようなフラッグシップ級の標準単焦点をAPS-Cのスケールで作ったような感じ。このサイズだからこそ、それらよりずっと気軽に振り回せますし、良い写真をたくさん撮っていけそうな予感がします。

2022年に買った機材:その他

GR IIIx

大きいカメラ/レンズを買うとサブに小さいカメラ/レンズが欲しくなり、機動力重視(あるいは分相応)のコンパクトなシステムを組み直すと欲が出てじわじわ大きくなっていき、あるラインを超えるとまたサブに小さいカメラ……(以下ループ)というろくでもないサイクルに陥ってしまう持病があるため、カメラを買うのはやめられないそうです。そうですか。

そんな持病があるのにE-M1Xなんてバカでかいカメラを買ってしまったもんで、直後にGR IIIxを買うことに。GRは何度か買ってみたことがあって苦手意識があったのですが(なぜまた買うのか)、GR本来の28mmより邪道の40mmの方が断然面白いし、このスマホ時代にも持ち歩く価値があります。AFの動作など古臭く感じる部分もありますが、気分転換には良いカメラですよ。

UHS-II対応のための消耗品一式

基本的に静止画しか撮らないもんで、まだまだUHS-Iのカードも何枚か現役です。ただ、X-T5の購入を決めた段階でさすがにファイル容量が大きくなりそうだとSDカードやカードリーダーを一通り新調しました。UHS-IIダブルスロットで3,000円以下という異常に安い高速SDカードリーダーがKingstonから出ており、その縁でカード自体もKingstonの物を買ってみました。カードもリーダーも、安くて速く今のところ不満はないです。

個人的には4,000万画素クラスの高画素機を使うのは4年ぶりでしたから(ちなみに前回はRX1R II)、データ転送や画像処理など激重だった記憶がよみがえり身構えていたのですが、いざ運用してみると何のことはなく月日を感じましたね……。

WD Elements SE Portable

高画素機導入と関係あるような無いような?って感じなんですが、バックアップ用のポータブルHDD(のうちの1台)を新調しました。WD Elements SE Portableの2TBモデルです。

ラインナップ的には5TBまであるのですが、現状入っているデータと今後HDDの耐用年数内に増えそうなデータ容量を考えてもそこまでは要らないのと、~2TBモデルと4TB~モデルで筐体の厚さが変わるという地味な違いもあり、2TBにしておきました。WDを選んだのは単純な理由で、HDDメーカーが自社製HDDを使って作っているので得体の知れない粗悪なパーツが使われている可能性が低いからです。

ただ、実はこれ失敗っぽいんですよね。現行型の分解記事は見つけられなかったので確実なことは言えないのですが、どうもWDのポータブルHDDは(上位シリーズのMy Passportも含めて)コストカットなのか小型化のためなのか、中身がUSB接続に特化した仕様になっているらしく……いざという時に筐体を割って中身のHDDだけを出してSATA直結でデータ救出できないというのは誤算でした。あまり限界まで長く使わないように注意しないといけませんね。

来年はどうする?

当面大掛かりな機材入れ替えはしないで済むはずなので(希望的観測)(いつも言ってる)、メイン機に関しては来年はせいぜいレンズを買い足すぐらいでしょうか。あったらいいなと思っているレンズはXF18mmF1.4 R LM WR、XF23mmF2 R WR、XF70-300mmF4-5.6R LM OIS WRあたり。MACRO APO-ULTRON 35mm F2なんかも興味はあったんですが、4,000万画素機のMFはなかなかシビアでねぇ……MF専用レンズはちょっと使いこなせる自信がないかも。

来年はカメラ買わない!というのはあくまでメイン機の話。サブ機は何か尖ったのを買いたいですね。Q2モノクロームとかQ3(仮)とか、お金あったら欲しいんですけどね~。

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