2023年最初のガジェットっぽい買い物は「Anker 521 Power Bank (PowerCore Fusion, 45W)」にしました。AnkerのACプラグ付きモバイルバッテリー、つまりコンセントにそのままさして充電できるやつの最新作です。
このPowerCore Fusionというシリーズは、2017年に初代モデルが発売されて以来、オンリーワンな使い勝手の良さでガジェット好きたちから熱い支持を受けています。今でこそ同じような使い方ができる他社製品もちらほらと出てきていますが、当時は非常に画期的でした。
私も初代PowerCore Fusion 5000のレッドモデル(2018年1月発売の追加色)、2代目のPowerCore III Fusion 5000(2020年7月発売)、大容量版のPowerCore Fusion 10000(2021年1月発売)と使ってきており、新型(以下、PowerCore Fusion 45Wと呼びます)のスペックを見て「おっ、これは自分の使い方によく合いそうだな」とピンと来たので買い替えることにしました。

公式サイト内での商品検索結果
ちなみに、521云々の長ったらしい正式名称は、最近のAnker製品の命名規則に沿ったもの。(百の位で)7シリーズがフラッグシップ、5シリーズがスタンダードとか命名ルールがあるらしいですが、あまりにも扱いづらいのでさっさと廃止していただきたいところです。
正式名称は長すぎて記事タイトルやSNS投稿での取り回しが悪いですし、ヘタに「Ankerの521が~」なんて雑な略し方をすると「521はPowerHouseにもPowerCore FusionにもNano Proにもあるけど?」なんてことになってしまいます。それどころか、同一カテゴリ内で同じ数字の製品が複数存在するケースもすでに発生しており、たとえば「Anker 511 Charger」を名乗る製品は「Anker 511 Charger (Nano Pro)」(20W出力)と「Anker 511 Charger (Nano 3, 30W)」(名前の通り30W出力)があります。
例の数字が一意でないことに大半の人は気付いていないので、ググラビリティが終わってるんですよね。正直、ネットの口コミでのし上がってきたブランドとしてはあまりにお粗末ですし、仮に被りがなかったとしてもそんな内輪のルールを一般ユーザーは覚える筋合いもないし伝わるはずがありません。あまりにもナンセンスです。
命名規則への文句はこれぐらいにして本題に戻りましょう。パッケージを開封してみると、PowerCore Fusion 45W本体のほかにはクイックスタートガイドなどの紙モノのみの簡素なパッケージ内容でした。
これまではキャリングポーチとかUSBケーブルとか入ってたんですけどね……環境ゴロのせいですかね。8,990円もする高級モバイルバッテリーなのに、もうちょっとなんかないの?とは思うところ。
PowerCore Fusion 45Wはブラック、ホワイト、グリーン、パープル、ブルーと豊富なカラーバリエーションが用意されているのも魅力。残念ながら購入時点ではオーソドックスな白黒以外は売り切れだったので、無難にブラックにしました。
最近のAnker製品に多いマット塗装と透け感のあるパネルを組み合わせたデザインなので、ブラックでもこれまでほど真っ黒ではなくダークグレーと呼びたい感じ。はちゃめちゃに指紋や手の脂が目立ちやすい質感なので、色選びはちょっと後悔……明るい色を選んだ方がきっと良いはずです。
もちろんFusionなので折りたたみ式のACプラグを内蔵。モバイルバッテリーとUSB AC充電器の一台二役という根幹は変わりません。
本体のサイズは約71×60×31mm、重さは約200g。容量やフォルムが近いPowerCore III Fusion 5000と比べると、サイズは小さくなったものの若干重くなっています。そこは出力アップとトレードオフでしょうね。
出力ポートはUSB Type-Cのみで2口。通常型のモバイルバッテリーほど続々と新モデルが投入されるわけではないので、ようやく今時の仕様になってうれしい限りです。
ちなみに、歴代のPowerCore FusionシリーズはUSB入力ができたりできなかったりでしたが、PowerCore Fusion 45Wはできる側。基本的にはコンセントから充電してこそのFusionですが、状況によっては(たとえば車の中とか)普通のモバイルバッテリーのようにUSBでも充電できたらいいのになって場面もありますよね。選択肢は多いに越したことはありません。
この面に技術仕様や各国の安全基準表記がびっしりと印刷されているのですが……マット塗装なので写真だとびっくりするぐらい見えませんね。仕方ないので出力周りの仕様を書き起こしておくと以下のような内容でした。
チャージャーモード出力:5V=3A/9V=3A/15V=3A/20V=2.25A(単一ポート利用時)、合計最大45W
バッテリーモード出力:5V=3A/9V=2.22A(単一ポート利用時)、合計最大5V=3.6A
入力:最大5V=2.1A
ポイントとなるのは、常に45Wを引き出せるわけではないこと。1ポートあたりの出力も2ポート合計の出力も、モバイルバッテリーとしての利用時には制限がかかります。ここをどう評価するかによって合う人・合わない人が分かれる製品かと思います。
(5,000mAhの小容量でもいいから)いざという時にノートPCなども応急的に充電できるコンパクトなモバイルバッテリーが欲しい、みたいなニーズはこの製品では満たせないでしょう。
しかし、「モバイルバッテリーとして使う時はスマホを充電できる程度で十分」「ホテルやカフェなど電源を取れる場所ではノートPCやデジタルカメラも充電したい」などといった、要求レベルの違うモバイルバッテリーとUSB AC充電器を1台にまとめたかった人にとっては、これまでのFusionシリーズ以上に過不足なく両方の役割をこなしてくれる絶妙なスペックといえます。
一台二役で荷物をひとつ減らせるのがFusionシリーズの魅力ですが、これまではどうしても「帯に短したすきに長し」なモデルが多く、普段使いはともかく旅行などでは個人的にはなんだかんだ言って別の充電器とセットでサブとして持っていくことがほとんどでした。PowerCore Fusion 45Wならついに理想的な使い方ができそうで、次の旅行や遠征に持っていくのが楽しみです。