プレミアムAndroidタブレット「Lenovo Tab P12 Pro」レビュー

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※本記事の執筆にあたってはレノボ・ジャパン様より製品の貸出を受けております(毎度ありがとうございます)。なお、記事内容への指示・関与はなく、自由に評価させていただいております。

数年前までは廉価機と法人向けばかりになってしまい、あまり元気のなかったAndroidタブレット市場ですが、最近はハイエンド・プレミアム路線の機種も息を吹き返し始めました。今回お借りした「Lenovo Tab P12 Pro」(2022年1月発売)もそのひとつです。

早速開封してみると、本体と充電器のほかにもキーボードやペンなど充実したアクセサリーがどっさり出てきました。これらはすべて標準付属品です。

ちなみに、兄弟機の「Lavie Tab T12」も以前ご紹介しましたが(※関連記事)、あちらはキーボード・ペンが別売り。それでいて不思議なことに価格は両機種とも11万円台中盤でほとんど変わらないので、お絵描きしたい人などには断然Lenovo版のほうがおすすめです。

12.6インチと大きめのディスプレイには有機ELを採用。解像度は2,560×1,600(WQXGA)でリフレッシュレートは120Hz、HDR10+やDolby Visionにも対応したプレミアムクラスのタブレットにふさわしい表示品質です。

基本性能としては、SoCがQualcommの準ハイエンド「Snapdragon 870」、メモリは8GB(LPDDR5)、ストレージは256GB。セルラーモデルは日本では発売されておらず、Wi-Fiモデルのみとなっています。

暗めの色合いのメタルボディは上下で仕上げを変えたツートン仕様となっており、Tab Pシリーズではおなじみの仕様。1世代前の「Lenovo Tab P11 Pro」を持っているのですが(以前お借りしてレビューした後に購入)、サイズの違い以外はそっくりです。

単体で厚さ5.6mmと非常に薄いため、付属のキーボードと背面カバーを組み合わせてもノートPC程度の厚さに留まり、違和感なく持ち運べるのはうれしいところ。

本体重量は約565gとさほど軽いわけではないため、フルセットでは1kgをわずかに超えます。それでも、フルセットのiPad Proなどと比べれば「いやそれ、普通にノートPC持ち運ぶより重いやん」という滑稽さはないかと。

Snapdragon 870は2021年1月発表の準ハイエンドSoCで、Snapdragon 865/865 Plusのオーバークロック版にあたります。当時最新のハイエンドSoC「Snapdragon 888」には一歩及ばないまでも、戦略的価格で高性能な機種を出したいメーカーをターゲットとした二番手でした。2023年現在でも十二分に快適に使える性能ですが、メモリ(8GB)はゲーム用途を想定するならもう少しあっても良かったかもしれません。

3.7V 10,000mAhの大容量バッテリーを搭載しているということもあり、電池持ちは驚異的。あまりに減らないのでフル充電からオープンワールドの3Dゲーム(原神)をやり続けてみたら7時間以上もつペースでした。

UIは一般的なAndroidタブレットなものとPCライクなものを切り替えられるようになっており、タッチパッドも組み込まれた付属キーボードと組み合わせればノートPCのような使い方もできます。

個人的にはファイル操作などを考えると結局Androidだから真の意味でPC感覚での作業は難しいかなぁ……となってしまいましたが、作業内容によってはこれで事足りるケースもありそうです。

アクセサリーの話に移ると、なんといってもキーボードが素晴らしい出来。しっかりとした打鍵感があり、Surfaceシリーズに端を発するこの手の「キーボード兼カバー」のなかでは秀でていると思います。サイズ的に無理のない配列となっている点も好印象です。

また、POGOピンを介した有線接続だけでなく、Bluetoothキーボードとしても利用できるため、本体と分離した状態でも使えるのがユニーク。ただ、これに関しては一長一短だと思っていて、キーボードを外してタブレット本体だけを持ってゴロゴロしながら動画を観ているときに、検索などで文字を入力しようとしたらスクリーンキーボードが出てこない(Bluetoothキーボードがつながっている)ということが多々あります。現状ではスクリーンキーボードを使いたいときは本体設定orキー長押しでBluetooth接続を切るしかないのですが、キーボードに電源スイッチがついていたらもっと便利でしたね。

タブレット本体およびキーボードにスタンド機能はなく、本体背面にマグネットで固定できる背面カバーがスタンドの役割を担います。本体とカバーの間にはペンを収納できる空間があり、カバーの一部をめくって出し入れできる仕様です。

スタンドとキーボードが別パーツなので、付属品ではなくお好みのBluetoothキーボードに変えることもできますよ(写真はThinkPad TrackPoint Keyboard II)。

出来の良いキーボードやペンが同梱されておりアウトプットにタブレットを活用したい人に適しているのはもちろん、ディスプレイやスピーカーのレベルも高くビューアー用途でも満足できる機種です。

直接のライバル機種と考えられるGalaxy Tab S8シリーズと比べると、ゲームや動画編集など少しでも新しくて速いSoCを求める場合にはあちらに分がありますが価格差も大きく、特にフルセットで揃えたい場合にはLenovo Tab P12 Proのコストパフォーマンスの高さは魅力的に映るでしょう。

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