楽天モバイルで4月14日から「Rakuten Hand 5G / Rakuten WiFi Pocket 1円キャンペーン」なるものが開催されていまして、独自端末のRakuten Hand 5G(スマホ)とRakuten WiFi Pocket 2C(モバイルルーター)の2機種が一括1円となっています。
条件はRakuten UN-LIMIT VIIの回線契約のみ。私が買った時は各機種1人2台(計4台)までの条件でしたが、ブログに書こうと思ってキャンペーン情報を見直したらいつのまにか各1台(計2台)までに絞られていました。
何台も買っていい(とはいえ、こんな実用性も買取価格も低い物を何回線も契約してまで積み上げる人はあまりいないと思う)ということからもわかるように、初回申し込み限定のキャンペーンが多い楽天モバイルでは珍しく、2回線目以降の申し込みでも対象になるキャンペーンです。
私は正式サービス開始時(2020年4月)に初契約して当時の1年無料期間中に解約したクチなので、およそ2年ぶりに楽天回線を使うことになります。ま、最近の回線状況はどんなもんかな?という敵情視察も兼ねて、投げ売り中のおもちゃを拾ってみたという感じですな。
とりあえず開封。色はホワイト/ブラック/クリムゾンレッドの3色があって、まぁ楽天っぽい色にしとくかということでクリムゾンレッドを選びました。本体のほか、USB Type-Cケーブルとイヤホン用の変換アダプタが入っていました。
スマートフォン本体からイヤホンジャックが廃止され始めたばかりの頃はこの手の変換アダプタは多くの機種に付属していたものですが、最近はもうほとんど付いてきません。他で使えたらちょっとうれしいかも、ということで別の機種(Pixel 7)に繋いでみましたが、残念ながら使用不可。
Type-C端子からデジタル信号を受け取ってアナログに変換してイヤホンに出力するタイプ(DACが入っているタイプ)ではなく、独自実装でType-C端子までアナログ音声ラインを引いてある機種だけで使える素通しタイプということですね。転換期にはこういうやり方の機種をちらほら見かけましたが、久しぶりに見ました。ちょっと残念。
いきなり細かすぎる付属品の話から入ってしまいました。スマートフォン本体の話に戻りましょうね。
このRakuten Hand 5G(2022年2月発売)の前に4G版のRakuten Hand(2020年12月発売)も存在したのですが、見た目はほぼそのまま。画面サイズ5.1インチ、本体サイズ約138×63×9.5mmという非常にコンパクトで手に馴染むサイズから「Hand」と名付けられています。
近年の一般的なスマートフォンと比べればずっと小さいですが、MNO参入時に独自端末第1弾として登場したRakuten Mini(3.6インチ)ほど極端なサイズではありません。各種アプリのUI的に無理があるということもなく、操作・表示に制約が生じない実用的なコンパクトサイズの下限という印象。この絶妙なサイズ感だけは実に素晴らしいと思います。
製造元はRakuten MiniやRakuten Hand(4G)と同じShanzhen Tinno Mobile Technologyで、かつて日本でも自社ブランド「Wiko」でSIMフリースマートフォンを販売していたメーカーです。
最近は採用機種が減りつつある、左右の端が曲面になっているタイプの有機ELディスプレイ。これをやる割には画面占有率がそんなに高くない(ベゼルが太い)ので、ちょっと何がしたかったのかわからないデザインではありますね。
電源を入れて初期設定を済ませると……ウッ!!!楽天アレルギーで気絶してしまいました。
というのはさておき、おびただしい数の楽天関連サービスの圧に一瞬ひるみますが、こう見えて実は「消せないキャリア系のプリインストールアプリ」は1個もありませんし、設定を済ませないと通知領域に常駐してくるような行儀の悪いやつもありません。見た目のインパクトとは裏腹に、ドコモやauの端末よりクリーンです。まぁ、自社サービスをシステムに侵食させるような作りをする余力がないだけかもしれませんけど。
ソフトウェアはいわゆる素のAndroidに近く、OSバージョンがAndroid 11と古いため、12以降でガラッと変わった現行のUIを見慣れた目には早くも懐かしい感じさえします。ただ意外なことに、公式サイトで公開されているアップデート履歴を見ると、セキュリティアップデートは2~3ヶ月に一度こまめに続いているようです。
SoCはQualcomm Snapdragon 480で、メモリは4GB。何気に定価2万円以下のローエンド機なのに内蔵ストレージが128GBもあるのは立派。画面内指紋認証、FeliCa、防水・防塵(IP68)と充実した仕様です。地味に発売時点では目新しかったデュアルeSIMなんて機能もあります。
ベンチマークスコア(GeekBench 6)を取ろうと思ったのですが、なぜか3回やっても一度も完走できず毎回途中でアプリが落ちてしまったので諦めました。
処理能力の低さ以上にタッチパネルの反応のひどさが災いしており、操作感は絶望的です。特にフリック入力が辛い……10年前でも許せないかもってレベル。このおもちゃを有効活用しようと思うなら、音楽プレーヤーとかテザリング用とか、なるべく操作せずに済む使い方がいいかも。
あと、初期から楽天モバイルはなぜか独自端末でコンパクト路線を選びがちですが、バッテリーの搭載スペースも当然限られてしまう小型端末(本機種は2,630mAh)を穴だらけの回線で運用すると、少し条件の悪い場所に行くとネットワークサーチだけでバッテリーがゴリゴリ消費されて終わることになるので相性悪いと思うんですよね。

Rakuten Hand 5Gで撮影(AI補正ON)

Rakuten Hand 5Gで撮影(AI補正OFF)
カメラはAI補正ONだとコテコテのぶっ壊れた色、AI補正OFFなら見られなくはない感じ。全体的にちょっと暗めの傾向かな……まぁ期待は禁物です。
最後に、1円だからって飛び付くほどの価値はないからあまりアレな人たちに踊らされるなよ?ってことは言っておきたいですね。
元々1円で売る前提の値付けがされている機種なので今回1円になっているのも珍しい話ではありませんし、そもそも中古で6,000円~、未使用でも8,000円~ぐらいで白ロムが大量に流通している機種なので、いくら契約コストがほぼかからない楽天モバイルとは言っても、“わざわざ回線契約をして”1円ってぶっちゃけ全然得じゃないです。
私はたまたま「そろそろ敵情視察のためにまた楽天モバイル使ってみないとな」と思っていたところ、ついでにおもちゃが付いてきてラッキー!ぐらいのノリで拾いましたが、一般論としてはおすすめしません。
MNPなら論外(もっと好条件の買い物に使った方がいい)ですし、純新規であっても、「Rakuten Hand 5G / Rakuten WiFi Pocket 1円キャンペーン」はほとんどキャンペーンと併用できず大量のポイントをもらい損ねる罠があるため、初回契約なら他のキャンペーンを優先した方がいいです。生きている既存回線持ちの2回線目以降でも今は3,000ポイント(1,000ポイント×3ヶ月)もらえるキャンペーンがありますし、Rakuten Hand 5Gを1円でもらうのが正解なパターンって、実は「楽天モバイルを一度契約して解約済のリターンユーザー」ぐらいしか無いんじゃないですかね?