プジョー208アリュール(3ドア5MT) を買った

自動車

お前3ヶ月前にもクルマ買っただろ!という話なのですが(※関連記事)、ついうっかりセカンドカーを買ってしまいました。別に家族がいるわけでもなければ車通勤でもないので、ただ趣味だけで2台持ってるというアレなことに。

208を選んだ理由

今回買ってきたのはプジョーの208というコンパクトカーなのですが、そもそもどういうクルマが欲しかったの?というところから話すと、

・3ドアハッチバック
 →ドアなんて少なけりゃ少ないほどかっこいいですからね。
・マニュアルトランスミッション
 →「わざわざ所有するほどMTにこだわりはない」と思っていましたが、どうせ別にATのまともな車があるなら、気が向いた時だけ乗れるから1台はMTでもいいかなって。
・スポーツグレード(ホットハッチ)ではなくて良い
 →ちょっと非力で常にアグレッシブに踏んでいかなきゃいけないぐらいのほうが、速度域の低い日本の公道じゃむしろ楽しかったりしますし。
・でもボディ剛性とか足回りとかはある程度ちゃんとしたいい走りであって欲しい

といった具合。あとはメインの車(マークX)より小柄で燃費も良いと使い分けやすいね、というぐらいでしょうか。

ステータス(笑)には興味がないし工業製品としての日本車の優秀さは語るまでもないので「外車が欲しい」とは特に思ったこともないのですが、国産だと3ドアハッチバックなんて近年ではGRヤリスみたいなゴリゴリのやつしかないですし、普通の実用グレードというか主婦のお買い物カーで3ドアなんてネオクラの域までさかのぼらないと無いですからねぇ。外車特有の弱点はいろいろあるにせよ、この条件なら新しめの選択肢が存在する欧州車のほうがマシかと。

208以外の候補としてはフィアット500、アウディA1、シトロエンDS3、ルノー・ルーテシア ゼンあたりを検討しました。

候補車種すべてが先述の条件を完璧に満たしていたわけでもなく、A1は日本仕様にMTがなくDCTのみですし(それはそれでとても楽しい変速機だと思うんですけど、時限爆弾といってもいいレベルのトラブルメーカーなので……)、DS3はMTと組み合わされるエンジンが1.6Lターボの速いやつなのでちょっと話が変わってきてしまいます。ルーテシア ゼンはパワートレイン的にはドンピシャで狙い通りですが5ドアしかないんですよね。

で、フィアット500はというと……とても人気のある車種なので単純な流通台数は多いですし手頃な個体もたくさんあるのですが、欲しい組み合わせはやや希少で高くなりがちだったり。具体的には2気筒0.9Lターボの「ツインエア」エンジン+MTで良いのがあれば欲しかったです。大多数を占めるデュアロジック(シングルクラッチのセミAT)も運転する分には楽しそうですごく興味はあるんですけどねー……A1と一緒で時限爆弾を抱えたくなくて。

そんなわけで本命を208に絞り、ほどなくして条件に合う個体が出てきて、現車確認に行ってみたらお店もすごくいい感じで……手短に話せば「輸入車ディーラー上がりで知識もあるし気のいいおっちゃんが、好きでこういうちょっと変わった車ばっかり集めて1人でやってる良心的な店」という感じ。ここなら買っても大丈夫だなと即決し、とんとん拍子で208がうちにやってきました。

どんなのを買ったの?

私が買ったのは現行ではなく1世代前の208。2012年から売られていたA9型の前期……というか初度登録年月を見たら2012年11月(日本での発売月)だったので最初期ロットです。

「アリュール」というグレードで、1.2Lの3気筒NAエンジンと5速MTの組み合わせでボディは3ドア。当時の新車価格は輸入車としては驚くほど安い199万円、今回の中古での購入価格は10万kmで乗り出し30万円ちょっと。

旧208には前期・後期をあわせると1.2NA、1.2ターボ、1.6NA、1.6ターボ、4AT、8AT、5MT、6MTとやたら多様な組み合わせのパワートレインがあって(同一車種で82馬力~200馬力って振れ幅すごい)、ボディも3ドアと5ドアがありました。そのなかでは最も素に近いベーシックな組み合わせといえるでしょう(厳密にはスタイルという真のエントリーグレードがありますが、そちらは15インチホイールだったりマニュアルエアコンだったり程度の違い)。シンプルな分リスクの低い組み合わせでもあって、MTのほうが壊れにくいというのはもちろん、エンジンもPSA/BMW共同開発の1.6L 4気筒よりこちらの1.2L 3気筒のほうが重大なトラブルは少ないとか。

距離はそれなりに行っていますがちゃんと手入れされてきている車両で今のところ抱えている問題は特になし。オイルが減るのは仕様なので(プジョー的には1,000kmあたり0.5Lは減るのが仕様って本当に言ってる)そこはまめに見ておいた方がいいかなってぐらいですね。

納車1週間ぐらいの所感

乗り始めた感想としては、とてもシンプルで操る楽しさのある車であると同時に、前提としてそれを目的に作られた趣味性の高い車ではなく向こうの国での本当にベーシックな実用車ですから、ああだこうだと余計な電子制御や補助機能を付けるという意味ではなく本質の部分で身構えずに楽に乗れる車でもあるなと思いました。

たった82馬力のエンジンとはいえシビアな操作でそれを絞り出さないとまともに走らないわけではなく、むしろ3気筒ならではの低回転域から太いトルクで多少横着をしても大丈夫ですし(さすがに登りの追い越し加速とかはしっかりシフトダウンしないとお話になりませんけどね)、案外元気に走る気さえします。いまどきの「趣味のMT車」にあるようなヒルローンチアシストだのオートブリッピングだのは付いていないのですが、素性がフレンドリーだからそんなものはなくたってMT操作に不慣れな人でも苦労せず乗れるだろうなという感じ。あと欧州車っぽいなと思ったのはブレーキもよく効きますね(その分うるさいしダストもいっぱい出るんですけど)。

車内空間に関しては、同年代の国産Bセグと比べると前席は余裕があると思います(右ハンドル仕様のペダル周りが窮屈なのは別問題なので一旦置いといて)。フィアット500もそうなのですが、この手のやつって乗ってみると見かけよりは広いです。実際使うかどうかは二の次でなんでもかんでも椅子とドアが多くないと不安な方々に忖度している日本のコンパクトカーと違って、基本1~2人までしか乗らない日常の足としっかり割り切っているんでしょうね。

と言いつつ、3ドアだから乗り降りが不便ということを除けば、後部座席も入ってしまえばある程度ちゃんと乗れそうな空間はあり、2+2のスポーツカーみたいな拷問スペースではないです。だからといって定員4名でなく5名なのはびっくりですけど……後ろに大人3人詰め込むのはさすがに無理があると思うというか、そもそも「非力だけど軽量だからそこそこ走る」タイプの車なので、フル乗車は走り的にも地獄を見る気がします(怖いもの見たさで一度ぐらいやってみたい)。

内装でちょっと面白いのは他のプジョー車にも共通する「i-Cockpit」ですかね。ステアリングが純正品としては類を見ないぐらい小径で、ハンドルの間からではなく上からメーターを見るようになっています。今でこそ60プリウスなんかの例がありますが、10年前にこれをやっていたというのは斬新だっただろうなと。慣れが必要だったり好みが分かれたりしそうな要素ですが、個人的には前に乗っていた車が半分これに近いスタイル(2段配置でスピードメーターはハンドルの上、タコメーターは間から見る)だったのであまり違和感がなかったり。

ダッシュボードの中央には7インチのタッチスクリーンがあって、これは全車標準装備。“これは”ね。ナビ機能はオプション、バックカメラもオプション、CarPlayは後期から……といった感じで、こいつは再生中の曲名や瞬間燃費・航続距離を表示するぐらいしかできません(メーター内で済みそうなレベル)。ちなみに、上の写真で英語表示なのは別にカッコつけてるわけじゃなくて言語設定に日本語がないからです。当時のプジョー、日本でまともに売る気なさすぎでは!?

3ドアでカッコかわいいし、法定速度内で思う存分味わえるちょうどいいローパワー具合、キビキビ走る車体、ハイオク仕様とはいえ燃費は悪くはない(15km/Lぐらい)などなど、走行性能やパッケージングには非常に満足している一方、「これだからラテンの車はよぉ……!」と思う部分もなくはありません。あって無いようなイカれた設計のドリンクホルダーとか、とってもチャーミングです。

先に書いたディスプレイの件もそうなんですが、ケチがつく部分の大半は日本仕様というか(左ハンドルベースの)右ハンドル仕様のやっつけ感に行き着くんですよね。ヒューズボックスが左側に残ってるせいでグローブボックスは半分ぐらいしかないし、ボンネットオープナーが助手席側のままなうえにドア開けないと使えないし。それで言うとブレーキもマスターシリンダーを左に置いたままペダルだけ右に持ってきている作りのはずですが、そんなにフィーリングに影響していないあたりはもう1~2世代前の車よりはうまくやっているのかなという気がします。208にしろ308にしろ、クープ・フランシュ(前後ツートンカラー)に塗られた最上位の限定モデルだけは左ハンドルのまま上陸してるんですよね……いいなぁ。

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